• "学校給食"(/)
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  1. 山口県議会 2000-09-01
    09月14日-05号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    平成 12年 9月定例会   平成十二年九月山口県議会定例会会議録 第五号      平成十二年九月十四日(木曜日)                              議事日程 第五号      平成十二年九月十四日(木曜日)午前十時開議  第一 会議録署名議員の指名  第二 弔詞贈呈の件  第三 一般質問  第四 議案第一号から第二十号まで、第二十二号及び第二十三号(質疑・第二十二号及び第二十三号採決)                              本日の会議に付した事件  日程第二 弔詞贈呈の件  日程第四 議案第一号から第二十号まで、第二十二号及び第二十三号                 会議に出席した議員(五十二人)                          柳   居   俊   学 君                          山   手   卓   男 君                          畑   原   基   成 君                          亀   永   恒   二 君                          吉   井   利   行 君                          末   貞   伴 治 郎 君                          伊   藤   博   彦 君                          藤   山   房   雄 君                          吉   田   和   幸 君                          大   西   倉   雄 君                          横   山   豊   治 君                          伊   藤       博 君                          三   木   康   博 君                          石   﨑   幸   亮 君                          松   原       守 君                          西   本   輝   男 君                          塩   満   久   雄 君                          水   野   純   次 君                          加   藤   寿   彦 君                          友   田       有 君                          二   木   和   夫 君                          宮   﨑   幹   嗣 君                          佐 々 木   明   美さん                          小   泉   利   治 君                          久 保 田   后   子さん                          藤   本   一   規 君                          重   宗   紀   彦 君                          松   永       卓 君                          西   嶋   裕   作 君                          池   田   親   男 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          桑   原   孝   行 君                          近   間   一   義 君                          三   村   真 千 代さん                          藤   井       真 君                          島   田       明 君                          田   中       貢 君                          斉   藤   良   亮 君                          岸   田   淳   子さん                          橋   本   憲   二 君                          守   田   宗   治 君                          藤   谷   光   信 君                          久   米   慶   典 君                          橋   本   尚   理 君                          竹   本   貞   夫 君                          河   野   博   行 君                          秋   野   哲   範 君                          村   田   哲   雄 君                          長 谷 川   忠   男 君                          森   中   克   彦 君                          河   村   敏   夫 君                会議に欠席した議員(一人)                          武   田   孝   之 君                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          二 井 関 成 君                    副知事         綿 屋 滋 二 君                    副知事         大 泉 博 子さん                    総務部長        谷   晋   君                    総務部理事       吉 冨 克 史 君                    企画振興部長      河 野   勉 君                    企画振興部理事     辻 田 昌 次 君                    環境生活部長      小 倉 淑 夫 君                    健康福祉部長      藤 井 俊 彦 君                    商工労働部長      前 田 隆 康 君                    農林部長        瀧 井   勇 君                    水産部長        野 村 照 男 君                    土木建築部長      西 本 久之輔 君                    出納局長        上 符 正 顕 君                    財政課長        荻 澤   滋 君                    公営企業管理者     藤 井   寛 君                    企業局長        河 野 伸 之 君                    教育委員長       山 田   宏 君                    教育長         牛 見 正 彦 君                    公安委員長       末 永 汎 本 君                    警察本部長       山 浦 耕 志 君                    代表監査委員      藤 村   實 君                    監査委員事務局長    藤 屋 靖 夫 君                    地方労働委員会会長   安 井 達 雄 君                    地方労働委員会事務局長 吉 田   敦 君                    人事委員長       山 田   悟 君                    人事委員会事務局長   森   昌 幸 君                    選挙管理委員長     津 田 正 人 君                 会議に出席した事務局職員                    事務局長        杉 山 博 正 君                    事務局次長       村 田   博 君                    総務課長        伊 藤 純 隆 君                    議事課長        吉 次   薫 君                    調査課長        岡 屋 武 紀 君                    秘書室長        木 村 克 己 君                    議事課主幹       清 水 英 司 君                    主査兼議事係長     中 田   望 君                    記録係長        松 永 政 彦 君                    主任主事        黒 石 千絵子さん                    主任主事        大 井 良 平 君                    主事          安 達 香奈恵さん     午前十時一分開議 ○議長(島田明君) これより本日の会議を開きます。 △日程第一会議録署名議員の指名 ○議長(島田明君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 橋本尚理君、吉田和幸君を指名いたします。 △日程第二弔詞贈呈の件 ○議長(島田明君) 既に皆様御承知のとおり、元山口県議会議長貞兼一君には、病気療養中のところ、去る八月三十一日、薬石効なく逝去されました。 まことに哀悼痛惜の至りであります。 ここに、謹んで御報告をいたしますとともに、日程第二、弔詞贈呈の件を議題といたします。 故貞兼一君に対し、お手元に配付のとおり、弔詞を贈呈いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(島田明君) 御異議なしと認めます。よって、弔詞を贈呈することに決定いたしました。 △日程第三一般質問 △日程第四議案第一号から第二十号まで、第二十二号及び第二十三号 ○議長(島田明君) 日程第三、一般質問を行い、日程第四、議案第一号から第二十号まで、第二十二号及び第二十三号を議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 久保田后子さん。    〔久保田后子さん登壇〕(拍手) ◆(久保田后子さん) おはようございます。県政クラブ久保田后子です。質問に入る前に、一言申し上げさせていただきます。 二井知事、御当選おめでとうございます。 時代の変革期にあって、県政の課題は山積みしています。県民の声をしっかりと受けとめ、子供たちに明るい未来を築くために、お力を発揮されますようお願い申し上げます。 それでは、通告に従い質問をいたします。 質問の第一は、地球温暖化防止対策についてお尋ねいたします。 ことしの夏は全国的な猛暑となり、下関気象台の観測によりますと、県内も七月を中心に、平均気温が平年を大きく上回り、降水量も各地で平年の半分以下となりました。 地球規模で見ても、近年、世界各地で猛暑や洪水、干ばつなど異常気象が起きており、気候変動が確実に進行していると言えます。 二酸化炭素などの温暖化ガスは、気候変動を通じて、食料供給の不安定化や海面上昇を引き起こし、さらには地球全体の生態系を揺さぶろうとしています。 地球温暖化は、地球環境問題の中でも最も広範囲に深刻な影響を及ぼすものとされており、九二年、リオデジャネイロにおける国連環境開発会議以降、温暖化防止条約など国際的な取り組みが始められました。 しかし、各国の利害が複雑に絡み合って、残念ながら、具体的なプログラムは遅々として進んでいません。 我が国においては、二酸化炭素排出量が世界第四位ということで、今後、二○○八年から二○一二年までに、九○年比で温室効果ガスの排出量を六%削減するという京都議定書を受け入れ、環境基本法の制定、省エネ法の改正、地球温暖化対策推進法を定め、温暖化防止の諸施策を進めてきました。 本県においては、「やまぐち環境創造プラン」において、二○一○年における二酸化炭素排出量を一九九○年レベルの一○%削減を目指すとした独自の目標を掲げ、地球温暖化防止のための行動プログラムを策定し、県庁みずからの率先行動計画の実施や、さらには、十二年度中にISO14001の認証取得を目指すなどの取り組みを進めています。 しかし、県内の二酸化炭素排出量の推移を見ますと、一九九○年約千三十万トン、九五年約千百八十万トン、九七年千二百万トンと増加傾向にあります。 この増加率を年平均にすれば、伸び率は年二・四%となり、我が国の二酸化炭素排出量年平均伸び率約一・五%と比較して、高い伸びを示しています。 県民一人当たりに換算すると、九五年には七・五九トンとなり、全国一人当たりの二・六五トンの何と約三倍となっています。 このような現状を見ますと、本県がいかに真剣に温暖化防止対策に取り組まなければならないかがわかります。 地球温暖化は、山口県にも深刻な影響を及ぼします。 まず、海面上昇による砂浜侵食があります。地球の平均気温が一度上昇すると、海面は約三十センチ上昇し、砂浜の八割が侵食されます。二度上昇すると、海面は一メートル上昇、今ある砂浜の全部が水没すると予測されています。海面上昇により、砂浜がなくなるだけでなく、低い地域は、満潮時や台風などにより被害を受ける可能性が高くなります。 さらに、動植物への影響も出ます。二一○○年までに平均気温が二度上昇すると、北緯三十四度の山口市は、鹿児島県の種子島とほぼ同じ気温となることが予測されます。気温の変化に追いつけずに絶滅する動植物も出ます。米の生産量の減少、人の健康への影響、光化学スモッグの拡大なども予測されます。 そこでお尋ねいたします。県としては、これまでの地球温暖化防止対策をどのように検証され、課題とされるのか、そして今後、県の定めた目標値の達成を図るために、どのような施策を推進されようとするのか、お伺いいたします。 また、地球温暖化対策推進法では、都道府県の責務と取り組みの一つとして、「地球温暖化防止活動推進センター」の設置がうたわれており、既に北海道、宮城、兵庫、広島が設置し、今年度中には青森、千葉、大阪、佐賀など十府県でも設置される予定となっています。本県ではどのように検討されているのか、お伺いいたします。 質問の第二は、高潮対策についてお尋ねいたします。 昨年九月、本県を襲った台風十八号は、大潮満潮時と台風上陸が重なったため、潮位が大きく上昇し、県内周防灘沿岸部に甚大な被害をもたらしました。県内では、死者三人、負傷者百七十九人、全半壊を含む二万一千九百四十五棟の住宅被害を受け、被害総額は四百十五億円余りとなっています。 月日のたつのは早いもので、間もなく一年がたちますが、この間、国の天災融資法の発動と激甚災害の指定を受け、県を初めとして市町村関係機関が連携し、災害復旧に取り組んでこられたことで、被災地域はかなり復旧が進んでいますが、住居や家財の喪失、経済的困窮などから、生活再建を図るには多くの困難があったことと思います。 このたびの台風十八号は、これまでの想定をはるかに超える規模であったために、今後の高潮災害防止に向けて新たな対策が必要となり、「山口県高潮対策検討委員会」が設置され、検討が進められてきました。 先般、その検討委員会から検討結果の報告書が公表されたところです。 それによりますと、このたびの台風十八号を高潮防災対策の基準とするモデル台風とし、検討対象地区を下関港、山口宇部空港、床波漁港、山口港など十一カ所を選び、新たな防護基準が提言されました。この代表十一地点についての設計潮位は、現設計潮位に二十センチから九十センチ上げることとされています。 また、検討委員会は、ソフト防災対策についても提言しています。中でも、被災者の実態調査結果から具体的な課題が示されています。例えば、「地域住民のほとんどが台風の襲来を認知していたが、広報車での呼びかけに気づいた人はわずかであり、極めて効率が悪い」とのことから、移動広報車以外の地域住民への伝達手段の確立や停電に強い防災ラジオの整備、電話以外の連絡手段整備ひとり暮らしや身障者などの災害弱者の総合支援体制の整備などです。 高潮被害を防ぐためには、ハード面の整備を急がなければなりませんが、それと同時に、ソフト面の対策を積極的に推進する必要があります。 そこでお尋ねいたしますが、このたび提出された高潮対策検討委員会の報告書を今後の施策にどのように反映されるのか、お伺いいたします。 また、具体的事例として、検討対象地区に選ばれ、報告書に写真が掲載され、その被災状況が示されている山口宇部空港並びに床波漁港とそこへ流れる県の管理河川である沢波川について、今後の高潮対策をお伺いいたします。 質問の第三は、水産振興についてです。 三方が海に開かれた本県では、水産業の振興を県政の重要な課題として取り組んできましたが、残念ながら、本県漁業の現状は、担い手の減少・高齢化の進行、水産資源の悪化などによる漁獲量が減少しており、かつては水産県山口を誇っていましたが、平成十年には一人当たり漁業生産額では三十六位となり、その地位を失っています。 私は、先日、漁業に従事する女性たちの声を聞く機会がありましたが、「年々暮らしが厳しくなる。ことしはさらに悪い」と言われ、「漁業だけではやっていけないので、別に仕事をせざるを得ない状況であり、このような漁業では子供に継がすことはできないし、皆漁業から離れた」とのことでした。 実際、沿岸漁家の所得推移を見ても、年々漁業所得は減少し、漁業外所得が増加しています。 こうした状況は、本県のみにとどまらず、我が国漁業の抱えている共通課題であり、国レベルでの抜本的な水産政策の改革が求められてきましたが、昨年十二月、水産資源の適切な保存管理と持続的利用を基本とした「水産基本政策大綱」が策定されました。 本県でも、この大綱と整合性を図って、水産県山口の再活性化を目指して、「水産山口チャレンジ計画」が本年三月に策定され、七つのチャレンジと施策体系が示されたところですが、これがすべて効果的に実施されることに大いに期待したいと思います。 全体的な推進体制については、吉田議員が質問しましたので、私は、以下二点お尋ねいたします。 まず、チャレンジ一として掲げられている若い就業者の確保・育成についてです。 漁業就業者の減少に歯どめをかけ、意欲と能力のある担い手を確保・育成することは、水産業の振興にとって最重要課題ですが、本県では、平成十年度からニューフィッシャーマン確保育成事業をスタートし、既に三人の方が就業しており、本年度も新たに三人の方が就業予定とのことです。 しかし、水産高校などから漁業へ入られる方を入れても、平成十年度の三十歳以下の新規漁業就業者数は二十二人といった現状です。同年度の漁業就業者は九千七百七十九人で、五年前から約二○%減少、しかも、男子就業者八千三十三人中、六十歳以上は四千三百九十四人と五四・七%を占めています。 二十五歳未満の新規就業者が毎年二十人から三十人程度で推移している現状と、今後、高齢者の漁業からの離職のペースが進んでいくとの予測から、漁業の担い手は大幅に減少すると考えられます。 水産県山口の再活性化のためには、新規就業者育成のスピードを速めなければなりませんが、そのためには、ニューフィッシャーマンを受け入れ、漁業指導する漁家をふやし、新規就業者への間口を広げる必要があると考えます。現在では、毎年二、三カ所の地区しか受け入れておらず、新規就業者にとっては選択肢を乏しくしていると思われます。 漁業という厳しい就労環境ではありますが、山口県のホームページの「フィッシャーマンズコーナー」には、既に六千件近くのアクセスがあることを考えますと、新規就業者を増加させる希望があると思われます。 そこで、新規就業を考えている人の立場に立って、多様な選択肢を提供していくことで、就業への可能性を高める必要があると考えます。 例えば、県内五つに分けられている漁業地区すべてで、毎年、受け入れ漁家を確保できるように、受け入れ体制のさらなる整備充実を図っていくことも、一つの方法ではないでしょうか。 また、ニューフッィシャーマン確保育成事業は、スタートして三年目を迎えますので、研修生や受け入れ漁家に対して追跡調査を実施し、制度のさらなる充実発展を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 第二点は、チャレンジ三の中で示されている水産加工業の振興についてお伺いいたします。 現在、県内には、漁協婦人部が中心となって運営している水産加工所が十一カ所あります。大手生協と連携しているところが一カ所あるだけで、ほかはすべて小規模で、年間売り上げ二百万円から三百万円程度となっています。 先日、ある漁協婦人部が運営している水産加工所を訪問しました。そこでは、地元で水揚げされた魚を加工し、主にイベントなどで販売をしていますが、年間売り上げは二百万円前後とのことでした。冷凍庫も自前のものを購入することができず、業者の冷凍庫を使わせてもらってしのいでいると、販売ルートの開発まで手が回らないので、収益は思ったように上がらないとのことでした。 水産加工所では、干物のみならず、利用されないまま廃棄される小魚などを加工して、魚ハンバーグ魚ウインナー、佃煮など、栄養価の高い良質な食品がつくられており、このような地元水産加工品は、消費者にとっても、鮮度のよい地元の水産資源が使われているという安心感が魅力となりますし、漁家にとっても収入源となります。 水産加工業の振興のためには、新製品開発や加工技術の支援、加工場施設整備の支援、研修機会の提供などのより一層の充実を図るとともに、安定した販売ルートの開発支援、例えば、地元の保育園、幼稚園や学校の給食、あるいは公共施設内の食堂などでの利用促進についても、さらなる検討が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 質問の第四は、男女平等社会の実現についてお尋ねいたします。 去る七月、「山口県男女共同参画推進条例」が、都道府県としては全国三番目に公布されました。 これは、男女平等社会の実現に向けて、実効性ある施策を総合的、計画的に推進するための条例であり、男女の固定的役割分担意識がいまだに根強い本県において、画期的なことであり、今後、この条例をもとに、県の施策に大きな変化がもたらされるものと期待されます。 十月一日からの施行を控えて、以下四点お尋ねいたします。 第一点は、男女の賃金格差是正についてです。 先日発表された本県の「九九年の賃金、労働時間及び雇用の動き」に関する調査結果によりますと、事業所規模五人以上で働く労働者の現金給与総額を男女別で見ますと、男子の賃金を一○○とした女子の賃金は四八・八と、男子の半分以下となっています。事業所規模三十人以上の労働者においても、女子の賃金は五四・九と、男子の約半分にとどまっています。 また、男女別の年齢階級別賃金や勤続年数などの調査項目がある「構造基本統計調査」を見ますと、男女の賃金格差は六三・五ですが、全国の状況六四・六と比較しますと、本県は低い状況にあります。 憲法第十四条法のもとの平等の規定や労働基準法第四条男女同一賃金の原則、また、男女雇用機会均等法第四条男女雇用機会均等対策基本方針などが定められているにもかかわらず、このような状態がなぜ起こっているのか、原因の解明とその対策が求められます。 しかし、本県が三年ごとに実施している「女性雇用管理実態調査」では、賃金に関する調査が行われておらず、国の調査だけでは、本県の女性の就業実態と賃金格差の詳しい分析ができないのではないかと考えます。 そこでお尋ねいたしますが、県としては、本県の男女賃金格差の実態をどのように認識し、原因分析され、対策をとられているのか、お伺いいたします。 また、「山口県男女共同参画推進条例」に基づいて、県みずから賃金格差の実態把握のための調査・研究をし、施策の充実を図るべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 第二点、農山漁村における男女のパートナーシップ指標の早期実現についてです。 女性は、農業就業人口の約六割を占め、林業・漁業においても、就業人口の二割近くを占めており、農林漁業の重要な担い手となっています。さらに、家庭生活や地域社会の維持・活性化に大きく貢献しています。 しかし、女性は、その役割や貢献に見合った評価を受けることが少なく、地域の方針決定への参画の機会も十分ではありません。 このような状況は、本県のみならず、全国に共通しており、国においては、男女共同参画社会基本法並びに食料・農業・農村基本法の趣旨を踏まえて、昨年十一月、「農山漁村男女共同参画推進指針」を策定し、施策の総合的推進が図られているところです。 これを受けて、本県においても、本年三月、「山口県における農山漁村男女のパートナーシップに関する指標」が策定されました。 これまでも、平成七年策定の「やまぐち型農山漁村女性のライフビジョン」によって精力的に取り組まれてこられたところですが、さらにこのたび、農山漁村男女のパートナーシップ確立に向けて指標を出されたことに、敬意を表する次第です。 例えば、農業協同組合の正組合員に占める女性の割合を現在の二七・六%から三○%に、女性農業委員を現在の十六人から三十人に、漁協運営委員会設置漁協のすべてに女性委員を入れる、漁業協同組合役員に占める女性の数を現在の三人から五人へといった指標です。 県としては、目標年次である平成十七年度に向けて、今後、この指標実現のための取り組みをどのようにされるのか、「山口県男女共同参画推進条例」に基づき、女性枠の設置など積極的な改善措置を実施し、目標値を速やかに実現し、一日も早く男女のパートナーシップを確立すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 第三点、教育・学習の振興についてです。 昨年の六月県議会において、既に御指摘申し上げたところですが、本県の教育行政の指針である教育ビジョンに学校教育における男女平等教育の推進が明記されていないことは、大変遺憾なことでありますが、その対応策として、今年度の「山口県教育ビジョン推進の手引き」に男女平等教育の推進が明示され、混合名簿導入が位置づけられたことを評価申し上げる次第です。 しかしながら、私が現場の先生方に聞き取り調査をしたところでは、「この手引きは見ていない」、「本年度新たな取り組みはしていない」といった声がかなりありました。 また、野外活動やスポーツなどの青少年活動指導者についても、男女の固定的役割分担意識で子供たちに接している場面をしばしば見かけます。 「山口県男女共同参画推進条例」においては、学校教育や社会教育における男女共同参画に関する「教育・学習の振興」が示されていますが、本県の男女平等教育の実態をどのように把握され、今後どのように取り組みをされるのか、お伺いいたします。 男女共同参画相談員の配置についての質問は、昨日の池田議員への回答で理解いたしましたので、答弁は結構です。 質問の第五は、学童保育の充実についてお尋ねいたします。 主に小学校低学年の子供たちを中心的な対象とする放課後児童健全育成事業、いわゆる学童保育は、共働き家庭の増加などにより需要が高まってきたにもかかわらず、その需要に十分こたえられてきませんでしたが、ようやく平成十年四月から児童福祉法に位置づけられ、取り組まれるようになったところです。 平成九年の実績によりますと、全国の市町村の約四割で実施され、九千カ所余り、約三十七万人の子供が利用しています。 実施主体は、公営が約半数を占めていますが、社会福祉協議会への委託や父母による共同運営なども多く、また、実施主体としては、学校の敷地内専用施設や余裕教室などの学校内施設が約四割を占めています。 本県においては、児童環境づくり行動計画において、放課後児童対策事業として、「児童クラブ」との名称で、平成十二年度末までの設置目標を明示し、設置に取り組んできました。既に平成十一年度末に、目標のほぼ九割まで達成されています。 しかし一方で、十二年九月一日現在、県内二百十三カ所あるクラブのうち十二クラブで、八十人余りの児童が入会を希望しながら、定員いっぱいのため入会を断られています。 障害児においては、さらに困難な状況にあります。受け入れ施設に対する県の補助金対象が障害児三人からということもあって、障害児を受け入れている学童保育は、県内にわずか二十一カ所しかなく、放課後児童対策が十分整っているとは言えません。 県としては、「山口県男女共同参画推進条例」に基づき、子育てと仕事の両立が図れるように施策を図る責務があり、希望した子供たちすべてが入れるように、学童保育の施設整備に市町村とともに積極的に取り組んでいただきたく思います。 また、学童保育の内容についても、改善が求められます。県内の学童保育の開設時間は、下校時から十七時ないし十七時半、春、夏、冬の長期休暇中は、朝八時半から十七時、あるいは十七時半までがほとんどです。 子供たちにとって、学童保育は生活の場であり、一日のうちの長い時間を過ごしており、当然のことながら、遊ぶだけでなく、宿題もしています。 学童保育の指導者は、必ずしも十分な施設整備がなされているとは言えない環境の中で、子供たちの安全確保、健康管理、生活習慣の指導、仲間づくり、さらには学習指導まで抱えています。 先般、福岡県で、学童保育中、隣接の公園で遊んでいた子供が誘拐される事件がありました。そこでは、学童保育の施設内が手狭なため、隣接する公園で遊ばせていたとのことでしたが、人手も足りないので、指導者は公園にはいなかったことが報道されていました。 学童保育の指導者は、仕事の内容や責任の重さに対して身分の不安定さから、近年では、新たな人材を見つけることは容易なことではなく、子供に対する愛情深き方々の教育的熱意に頼っているような状況があります。 指導者の方からは、「私たちは病気もできません」、あるいは「資質の向上を図るため、できるだけ研修の場に出たいと思っても、休めないので参加ができません」といった声も聞きます。 本県では、指導者はすべて一年契約の非常勤職員となっており、約半数の施設で、交代要員もなく、一人の方がぎりぎりの状態で支えている実情があります。 学童保育の指導内容を充実するためには、指導者の身分保障、給与などの待遇改善は必須と考えます。 働く女性が雇用者総数に占める割合は、既に四○%以上となっており、平成七年の国勢調査によると、本県は、全国平均よりさらに二ポイント高くなっています。 働きながら子育てすることが特別なことではなくなった今日、学童保育の役割はますます重要となっており、福祉的立場からだけではなく、教育の一環としても位置づけ、空き教室や余裕教室の活用、あるいは学校図書館や学校プールの利用など、学校との連携をより深めていく必要があると考えます。 現在、県においては、新たな児童環境づくり計画の策定作業に入っていますが、これまでの量的充足の目標値のみならず、質的向上を図っていくための目標値も定める必要があると考えます。 例えば、狭い部屋にすし詰めといった状態ではなく、一人当たりのゆとりあるスペースの確保、書籍の充実、良質なおやつなどが考えられます。 また、対象とする年齢も、三年生までと限定せずに、小学校六年生まで範囲を広げ、必要とする子供を幅広く受け入れていくべきと考えます。四年生になった途端、一人で留守番ができる子供ばかりではありません。 少子化が進む中、地域に子供の遊びの輪が失われ、子供の居場所が少なくなっています。寂しくなって、ゲームセンターやコンビニエンスストアで過ごしたり、あるいは非行に走ることにもつながりかねません。青少年健全育成の観点からも、学童保育を充実させるべきではないでしょうか。 そこでお尋ねいたしますが、放課後対策事業、いわゆる学童保育の現状をどのように認識され、課題を把握されているのか、そして、今後どのように対応していこうと考えているのか、お伺いいたします。 また、学童保育を福祉だけにゆだねるのではなく、学校施設の積極的開放・利用促進など、教育との連携が求められていると考えますが、県教委の御見解をお伺いいたします。 以上で一回目の質問を終わります。どうもありがとうございます。(拍手) ○議長(島田明君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 久保田議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、地球温暖化防止対策についてであります。 地球温暖化の問題は、人類共通の課題であり、我が国におきましても、お示しがありましたように、「温室効果ガス六%削減」の目標を設定いたしております。 本県におきましては、県民一人一人に地球温暖化防止についての理解と高い認識を持って、自主的な取り組みを促進していただくために、「二酸化炭素排出量の一○%削減を目指す」とする、わかりやすい努力目標といたしたところでございます。 これに向けまして、平成十年度から「地球となかよし県民運動」を開始し、続きまして、県民、事業者、行政を対象とした「地球温暖化防止行動プログラム」を策定し、県民、事業者等を対象に、自己点検表に基づく地球温暖化防止の実践活動に取り組み、また、全国に先駆けて、県民に広く地球温暖化防止活動推進員を委嘱するなど、幅広い啓発活動に努めております。 また、今年三月には、県内における先進的な事例を紹介した地球温暖化防止実践事例集を作成・配布し、事業所における取り組みを促しますとともに、「地球にやさしい環境づくり融資制度」に新たに個人向け融資枠を設け、家庭における太陽光発電などの新エネルギーの導入の促進を図ることといたしたところでございます。 このように、地球温暖化防止対策に関しましては、平成十年度から具体的な取り組みを開始したところでありまして、まだ、数値による検証は、今後の統計調査結果をまたなければならない、というような状況にあるわけでありますが、各種アンケート調査等によりますと、家庭での省エネやごみの減量化・リサイクルが進み、また、企業におきしては、エコ・オフィスの率先活動、製造工程や管理の効率化等による省エネルギー対策、ISOの認証取得など、温暖化防止に向けた活動が進みつつあるものと受けとめております。 しかしながら、県の定めた目標値の達成に向けて、着実にその成果を上げていくためには、関連情報の提供や啓発活動の強化を図り、家庭や企業における実践活動を一層加速化させる必要があるものと考えております。 このため、県といたしましては、県民、事業者、行政が一体となって、「地球となかよし県民運動」の定着化を図りますとともに、来年開催をいたします「山口きらら博」におきましても、地球温暖化防止に向けた新エネルギー導入や省エネ対策について、目で見て、手で触れて体験できるプログラムを展開し、広く県民の意識啓発を図ることといたしております。 今後とも、新エネルギーの導入や地球温暖化防止行動プログラムに基づく積極的な取り組みを推進し、二酸化炭素削減に係るデータの蓄積のもとに必要な検証も行いながら、国の施策や技術開発の動向をも見きわめながら、地球温暖化防止対策に一層努力をしていく考えであります。 次に、高潮対策に関連して、高潮対策検討委員会の報告書を今後の施策にどのように反映するのかという御質問にお答えをいたします。 県におきましては、昨年の台風十八号を教訓として、高潮の防護基準を見直すために、「山口県高潮対策検討委員会」を設置し、去る九月一日に委員会からハード・ソフト両面にわたる幅広い御提言をいただきました。 県といたしましては、この提言に基づき、ハード面では、県内の瀬戸内海沿岸全域における設計潮位等の防護基準の見直しを行い、新たな防護基準を反映した「海岸保全基本計画」等を策定いたします。 今後の事業実施に当たりましては、この計画等に基づき、必要な護岸のかさ上げや消波工の設置など、海岸保全施設の計画的な整備に努めていくことにいたしております。 ソフト面では、委員会の審議過程でいただきました、高潮予測体制の整備や情報収集体制の確立などの提言につきましては、可能な限り地域防災計画に盛り込んだところであります。 また、高潮浸水地域の予測や住民への有効な情報伝達システムの確立などにつきましては、さらに検討を加え、今後、地域防災計画に反映をしていくとともに、市町村の地域防災計画の見直しに当たっても反映をされるように指導・助言を行っていきたいと考えております。 県といたしましては、昨年の台風による被災箇所について、再度災害防止の観点から、早期復旧に努めているところでありますが、今後とも、県民の生命、財産を守るために、ハード・ソフト両面にわたる高潮対策の一層の充実強化に努めてまいりたいと考えております。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。 ○議長(島田明君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) 地球温暖化防止活動推進センターについてのお尋ねにお答えをいたします。 地球温暖化防止活動推進センターは、「地球温暖化対策の推進に関する法律」第十一条の規定により、地球温暖化の防止に寄与する活動の促進を図ることを目的として設立された、民法第三十四条の公益法人の申請に基づき、都道府県知事が一カ所に限り指定できることとなっております。 本県におきましては、現時点においては、この推進センターの母体となるような、地球温暖化防止を目的とした公益法人が存在しておりません。 したがいまして、この推進センターの指定につきましては、今後、多方面の御意見をお聞きしながら、県内の環境保全団体やNPO活動の動向をも見ながら、本年度、庁内に設置しております「環境学習拠点施設の調査研究プロジェクトチーム」における拠点施設の調査・研究とあわせて、このセンターに係る検討を進めていく考えでございます。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 西本土木建築部長。    〔土木建築部長 西本久之輔君登壇〕 ◎土木建築部長(西本久之輔君) 高潮対策に関連して、山口宇部空港及び沢波川の今後の高潮対策についてのお尋ねにお答えします。 山口宇部空港については、現在、委員会の提言をもとに、対策工法の調査、検討を行っているところですが、今後、その結果を踏まえ、早期に事業着手できるよう、関係機関等と協議を進めてまいります。 また、沢波川につきましては、本年度に施設整備の前提となる、新たな防護基準を踏まえた河川整備計画等の策定に着手することとしており、今後の整備に当たっては、地域住民の意見も十分に反映し、隣接する床波漁港の整備との連携を図ってまいります。 今後とも、お示しの箇所も含め、新たな防護基準に基づく高潮対策の計画的な推進を図ってまいります。 以上であります。 ○議長(島田明君) 野村水産部長。    〔水産部長 野村照男君登壇〕 ◎水産部長(野村照男君) 私から、高潮対策と水産振興に関してのお尋ねにお答えいたします。 初めに、床波漁港の今後の高潮対策についてでありますが、床波漁港につきましては、漁港管理者である宇部市が、平成十三年度に整備計画の策定を予定しておりますので、県といたしましては、検討委員会の提言に沿った計画となるよう、今後、適切な指導・助言を行ってまいります。 次に、水産振興に関する二点のお尋ねでございます。 まず、ニューフィッシャーマン確保育成事業につきましては、漁協系統団体、市町等と連携し、全国に先駆けて取り組んでまいりましたが、お示しのとおり、受け入れに積極的な地区が限られているのが現状であります。 このため、今後、漁業関係者に対し、改めてこの事業の趣旨の啓発や成功事例の紹介に努め、新規就業希望者が漁業種類や地区を幅広く選択できるよう、関係市町、漁協等と連携しながら、受け入れ地区や漁協・漁家の拡大を図ってまいりたいと考えております。 次に、研修生や受け入れ漁家へのアンケート調査の実施についてでありますが、これまでも県は、研修生、受け入れ漁家及び漁協に対し、きめ細かな面談を行い、問題点を抽出し、本事業の改善を図ってきているところでありますが、今後、御指摘のように、追跡調査等も行うことにより、この事業のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、地元原材料を使った水産加工の振興等に関するお尋ねでございます。 現在、お示しの十一漁協婦人部において、地元でとれた水産物を利用した新たな加工品の開発や朝市での販売、料理の提供等、さまざまな活動が展開されております。 今後、こうした活動を発展させることにより、漁家・漁村の活性化に貢献するものと考えております。 そこで、漁協婦人部によるこのような活動をさらに発展させるためには、お示しのように、商品としての加工技術の向上、施設の整備、経営能力の向上及び販路拡大等が課題であると考えております。 このため、県といたしましては、水産研究センターや生活改良普及員等による経営指導、技術研修会や異業種交流会を開催するとともに、施設の整備については、地元漁協と十分に協議しながら支援を行ってまいりたいと考えております。 また、販路の拡大については、一部地区において、地元の学校給食に提供している事例もあることから、まず、漁協、市町等と連携しながら、地元の安定的な販売先を開拓できるよう支援してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(島田明君) 前田商工労働部長。    〔商工労働部長 前田隆康君登壇〕
    商工労働部長(前田隆康君) 私からは、男女の賃金格差是正についてのお尋ねにお答えをいたします。 お示しのとおり、県内企業における各種の賃金調査の結果によりますと、女性労働者の賃金は総体的に男性労働者の賃金に比べ低く、男女の賃金格差が生じておりますが、男女雇用機会均等法の施行後におきましては、逐次、改善されつつあります。 この賃金格差の要因といたしましては、勤続年数、学歴構成、勤務形態、労働時間、昇進などによるものというふうに考えております。 このため、県といたしましては、女性労働者の労働条件や就業条件を改善するため、労働基準法や均等法等に基づく男女同一賃金や男女の均等な機会及び待遇の確保等が講じられるよう、シンポジウムやセミナーの開催、そしてハンドブックの作成・配布などに努めているところであります。 今後とも、きめ細かな賃金調査を行い、賃金格差の要因等の実態把握に努めまして、関係法令を直接所管しております山口労働局等の関係機関と連携をしながら、男女が平等に働くことができる条件や環境づくりに取り組んでまいる考えであります。 以上です。 ○議長(島田明君) 瀧井農林部長。    〔農林部長 瀧井勇君登壇〕 ◎農林部長(瀧井勇君) 農山漁村男女パートナーシップ指標の早期実現についてのお尋ねでありますが、お示しのように、農山漁村におきましては、女性が生産と生活の重要な担い手となっておりますことから、女性が農林水産業や農山漁村を男性とともに担うことのできる「パートナーシップの確立」が重要であると認識をしております。 県といたしましては、これまで、平成七年八月に策定をいたしました「山口県農山漁村女性に関する中長期ビジョン」に沿いまして、男女共同参画に向けた取り組みを進めてきたところでございまして、その結果、家族経営協定締結、ここ三年で倍増いたし、女性の農業委員や漁協における役員も増加傾向にありますなど、着実な成果が見られているところでございます。 こうした中、さらなる女性の参画や地位の向上を図りますため、ことし三月、「山口県農山漁村男女パートナーシップに関する指標」を策定いたしまして、家庭、団体等におきます目指すべき方向とその具体的な数値目標を明らかにいたしたところでございます。 今後におきましては、指標に掲げた目標値の早期達成に向けまして、組織・団体の長に対する意識啓発や理事会等における女性枠の設置など、女性登用の要請を引き続き行い、方針決定の場への女性の参画を促進いたしますとともに、農林漁業者を対象とした夫婦セミナー等の開催を通じて、家族経営協定の締結を進めるなど、家庭における女性の経営参画を一層促進することといたしております。 また、これらの推進に当たりましては、女性自身の意識改革と能力開発が必要でありますことから、学習機会の拡充等による農家・漁村生活改善士等、地域において提言のできる女性リーダーの育成に努めるなど、その体制づくりを進めていくことといたしております。 以上です。 ○議長(島田明君) 藤井健康福祉部長。    〔健康福祉部長 藤井俊彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(藤井俊彦君) 私からは、学童保育についてのお尋ねにお答えいたします。 放課後児童クラブ、いわゆる学童保育は、昼間保護者の方がおられない小学校低学年児童の健全育成や仕事と子育ての両立支援の観点から、極めて重要であると考えております。 このため、県におきましては、これまで「児童環境づくり行動計画」に基づき、整備目標であります二百二十四カ所の達成を目指しまして、市町村と連携し、学校の余裕教室や児童館などの公共的施設を活用しながら、毎年度着実に整備を進めてきておりまして、現在二百十三カ所が設置されているところでございます。 また、県におきましては、国庫補助事業の対象にならない小規模クラブや障害児を受け入れるクラブに対する補助、また、指導員の研修などを行い、市町村が地域の実情に即した運営ができますように、積極的な支援を行っているところであります。 今後、共働き家庭の増加などにより、児童クラブの必要性はますます高まるとともに、児童の健全育成の観点からも、児童クラブへの期待も大きくなるものと考えております。 このため、県といたしましては、実施主体であります市町村や教育機関と連携しまして、地域の実情やニーズを踏まえながら、児童クラブの設置促進、長時間開設クラブの拡大、指導員に対する研修の充実などを図りますとともに、お示しのような児童クラブの対象者の拡大、障害児への対応、指導体制や指導内容などの課題につきましては、現在、新たな「児童環境づくり行動計画」を策定しておりますことから、児童環境づくり推進協議会や地域における懇話会などの御意見も聞きながら検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 教育関係の二点のお尋ねにお答えを申し上げます。 まず、男女平等教育についてのお尋ねでございます。 今日、男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっておりまして、このような社会の実現を目指すためには、教育の果たす役割は極めて重要であると認識をいたしております。 学校における男女平等教育の推進につきましては、これまでもさまざまな取り組みをしてきたところではありますが、必ずしも十分とは言えない状況もありますことから、本年四月、全教員に配布をいたしました「教育ビジョン推進の手引き」に男女平等教育を取り上げまして、その推進を図ってきたところであります。 県教委といたしましては、この手引きの活用のさらなる促進に努めなくてはならないと、このように考えております。 今後の取り組みについてでございますが、教員の意識の啓発を図ることが重要であると、このように考えておりまして、教育研修所における研修の充実を図りますとともに、「山口県男女共同参画推進条例」の内容も盛り込んだ、男女平等教育を推進するためのパンフレットを作成・配布することにいたしております。 また、協議会を設けまして、教員のすぐれた実践を事例集にまとめまして、各学校での指導の充実に資することにいたしております。 次に、社会教育面につきましては、これまで「男女共同参画アドバイザー養成講座」や市町村における各種学習講座等において、男女共同参画に関する学習に取り組んできたところではありますが、男女共同参画についての関心と理解が、必ずしも十分には得られていない面もあると認識をいたしております。 このようなことから、県教委といたしましては、今後、本条例の趣旨を踏まえ、これまで取り組んできました研修・講座の受講対象者の拡大や内容の見直しなど、その充実を図ってまいりますとともに、市町村に対しましても、今年四月に配布しました男女共同参画の視点に立った新たな学習プログラムや、これに沿った教材の提供を通しまして、学習講座の拡充に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。 また、社会教育団体等に対しましても、男女共同参画に関する啓発パンフレットを作成・配布し、各種指導者研修会などにおきまして、それを活用しながら、地域の指導者の一層の理解と取り組みが得られるよう、新たな啓発活動に努めてまいる考えであります。 県教委といたしましては、今後とも、学校教育と社会教育の両面において、一人一人が、性別にかかわりなく、その個性と能力を発揮することのできる男女共同参画社会の形成に向けまして、生涯にわたるあらゆる場面、あらゆる活動を通して、男女平等教育の推進に積極的に努めてまいりたいと考えております。 次に、学童保育を推進するための学校施設の活用についてのお尋ねに、お答えをいたします。 御案内のとおり、児童生徒の減少に伴いまして、今後、全国的にも余裕教室の発生が見込まれておりますことから、文部省においては、学校施設以外への転用について財産処分の手続の簡素化を行うなど、余裕教室の一層の有効活用を図ることといたしたところであります。 県教委といたしましては、地域に開かれた学校づくりを推進する上からも、余裕教室を含めた学校施設の開放、有効活用が必要であると考えております。 このため、余裕教室等の活用のあり方について、市町村教育委員会との協議会を設けまして、施設管理や運営、利用者の安全確保等に関する諸課題について検討を進めるとともに、活用事例に関する情報提供などを行いまして、市町村教委の理解を深め、余裕教室等の活用が促進されるよう努めているところであります。 県教委といたしましては、お尋ねの学童保育の施設なども視野に入れ、余裕教室等が地域のニーズや実態に即し有効活用が図られるよう、市町村教育委員会に対しまして、なお一層の指導・助言をしてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 久保田后子さん。    〔久保田后子さん登壇〕 ◆(久保田后子さん) 御答弁どうもありがとうございます。 それでは、幾つか再質問と要望をさせていただきたいと思います。 まず、温暖化防止対策についてでございますが、先般  昨年になりますが、国連環境計画  UNEPの方から「地球環境概況二○○○」というのが発表されまして、大変ショッキングなデータが示されたわけですが、それによりますと、「地球温暖化温室効果ガスの排出の防止は恐らく手おくれであろう」と、「既に熱帯林の破壊は取り返しがつかない状態になっている」と、「哺乳類の四分の一が絶滅の危機にある」と、「二○二五年には、世界人口の三分の二が水不足に悩む」など、もう本当に、もうだめかというようなデータが出されておりますし、これは、日本など百カ国以上から三十研究機関、八百五十人余りの専門家が取りまとめたもので、最も権威ある評価報告書と言われているものですし、ことしになってからも、気候変動に関する政府間パネルという  IPCCといいますが、そこからも同様の内容の報告書が出されておりまして、地球環境に対する科学者からの予測はこのようになっているという、まず認識から入らないといけないかと思いますが、そういう中で、日本は世界第四位の排出、この世界全体六十億人いる中で、わずか二割程度の私ども先進工業国が、この地球環境への責任を八割背負っているというふうに言われておりますし、科学的にも裏づけられています。 その中で、日本は第四位という堂々たる地位、そして、その中でも、山口県は一人当たりの排出量が大変高い、トップにあるということで、本県がどのようにこの地球温暖化防止対策に臨むかというのは、山口県のみならず、日本全体、そして世界へ、大きなやはり責務があるんではないかと考えて、質問を出させていただいた次第で、二井知事からは、一○%削減に向けて、さまざまな政策を示されまして、そして、これは努力目標なので、みんなの理解をしていただくということが大前提になるというふうにも思いますが、本県の二酸化炭素排出量の約八割は、事業活動から出されておりまして、そのうち大規模工場などが約七割という状態で、本県の産業構造をそのまま示しているわけです。 しかし、この九○年から九五年までの排出量を見ましても、この産業界は非常に努力をしておりまして、排出量は減少、本県の増加率一四%を下回る九%となっておりまして、非常に省資源・省エネの努力を事業者サイドがなされているということが言えますし、御答弁にもありました県が取りまとめた「わが社の地球温暖化防止実践事例集」を見ますと、その努力の姿、あるいは先進的な事例もかなり紹介をされております。 それに比べて、この産業分野に次ぐ排出量が多いのが、私ども家庭、民生部門でございまして、ここは全体の約一二%ではありますが、九○年から九五年までの伸びは、全体の伸びを上回る一八%も伸びているということで、こういった現状から、これから本当に本県が温暖化防止対策をやっていかなきゃいけないという厳しい状況だと思います。 そこで、今御答弁の中にありました、全国に先駆けて、地球温暖化防止活動推進員を四百六十人の方に委嘱されたということですが、こういう活動は非常に有効になるかと思います。トップダウンというよりは、ボトムアップ、あるいはすそ野を広げるという、そういったことが、この地球温暖化防止には極めて効果が高い。 といいますのは、この温室効果ガスを出すというのは、私たちの日常の生活、あるいは通常の事業活動に起因をしているということもありますので、一人一人の意識改革ということになりますが、そこで、この活動推進員の皆様は、どのように具体的に活動ができるようになっているのか、あるいはその温暖化防止活動にどのように結びつけられようとしているのかということをお伺いいたしますとともに、温暖化防止活動支援センターの設置について、この母体となる公益法人が存在してないので、まだ進んでいないということでございますが、先般も質問出さしていただきました環境財団、こういったものが本県にはまだないと、こういったことも大きくやはり原因となっているかと思います。 民間の活動を促進し、支援するためには、やはり山口県環境財団というものが早期に立ち上げられ、そして、施設整備に進んでいくと、やはりハードが先ではなくて、ソフトを立ち上げていくという、よく指摘されていることでございますが、そういったことをぜひ早急に進めていただきたいし、現在、プロジェクトチームの中で検討されているということですが、きちっと目標を定めて進めていただきたいというふうに思います。 それから、男女平等社会の実現に向けてということで、男女の賃金格差について、これから  もうこれ以上悪くなることはないというふうに私も思いますが、そこで、本県は、この条例、山口県男女共同参画推進条例第十条「県は、男女共同参画に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するものとする。」、それから第十七条「知事は、この条例の施行に関し必要があると認めるときは、事業者に対し、男女の就業状況その他必要な事項に関し報告を求めることができる。」と、こういった条例も活用して、これからは、本県の産業構造、就業実態をきめ細かく調査をして、この男女の賃金格差是正に向けて取り組んでいただきたいというふうに思いますので、再度御答弁をお願いできたらと思います。 それから、農山漁村のパートナーシップ指標について、平成十七年度という目標、大変まだ長いことでございまして、この変化の激しい時代、そして、この女性の活力を一日も早くやっぱり生かしていくということを思えば、早期実現に向けて御努力をお願いしたいと要望をさせていただきます。 それから、三点目の男女平等教育・学習の振興について、教育長から大変前向きな御答弁をいただき、感謝を申し上げる次第でございます。 私、先般、子供の参加する野外活動に一緒に行ったときのことでございますが、指導者の方から、女の子はカレーライスをつくって、男の子はテントを張る方に行くようにという指示が出されまして、むしろ子供たちの方から、「僕だってカレーつくりたい」、「私はテントを張りたい」とかいうような声がたくさん出まして、それじゃもうどうでもいい、みんな好きなことをおやりというふうになった。 そういう場面に出合いましたが、学校教育は、これから着実に進んでいくかと思いますが、社会教育においても、こういった青少年活動、あるいはスポーツのリーダーの方たちへの意識改革、それをぜひ進めていただきたいというふうに思います。これは、再度要望でございますので、御答弁は結構でございます。 それから、学童保育について、きょうちょっと、これは山口県内のある学童保育所の風景ということで、夕方でもあり、室内ということで、ちょっと大変暗い写真になってしまいました。 これは、三十平方メートルの中に、このときは七、八人がいましたけれども、このぐらいの人数でやっとと、これでゆとりあるかなというぐらいで、ここに二十二人が入っておりまして、もう二十二人が全員いたら、ちょっと写真を十分撮れない、施設の状況が見えないというようなこともあろうかと思いますが、一人の方が、交代要員もなく、指導をされてきていると、そういう事情もあって、春休み、冬休みは対応できないと、それから延長保育、本当なら多くのところで就業時間は十七時、あるいは十七時十五分というふうな現状がある中、学童が十七時で終わるというのは、迎えに行くという親の側から見たら大変厳しい現実があります。早く出る、あるいはだれか迎えの人を頼まなきゃいけないというような現実がありまして、できたら十八時、延長してほしいという根強い要望があります。 こういった学童保育所の風景、一日も早く改善をされまして、青少年健全育成、そして、増加しつつある働く母親を支援していくという、本県の少子化対策検討委員会からも提言をされたことでありますが、条例もできたことですので、ぜひ総合的な見地から、県教委とともに福祉行政へしっかり取り組んでいただきたいということで要望さしていただきますとともに、全国の学童保育の状況をちょっとホームページで検索をしてみましたところ、やはりなかなかどこもみんな苦労をしておりまして、行政の理解がないということで、親たちがみずから募金をしてつくったりしていたり、あるいは熱心な行政のところは、一年生から六年生までを対象としたり、あるいは両親が働いていなくても、必要な子供なら受け入れる、あるいは学区外の子供でも引き受けるというような前向きな取り組みの学童保育もございました。 そういった意味で、今ようやく、この取り組みが全国で動き出したかなというところですけれども、個性ある政策を目指す本県としましては、やはり全国に先駆けて、モデル的な学童保育を構築していただきたいというふうに思っておりますので、要望とさせていただきます。 それでは、再度の御答弁をお願いいたします。ありがとうございます。 ○議長(島田明君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) 地球温暖化防止活動推進についてのお尋ねにお答えをいたします。 地球温暖化防止活動推進員の具体的な活動内容や、地球温暖化防止にどのように活用されているかということでございますが、本県では、地球温暖化防止活動推進員を全国に先駆けて、現在四百六十名の方々に推進員になっていただいております。 これによりまして、地球において地球温暖化防止の啓発や行動が必要だということで、積極的な取り組みがなされております。 その具体的な内容といたしましては、県が実施いたします「地球となかよしアクション21」に率先して取り組むほか、各種講演会への参加や地球温暖化防止に関する情報提供を通じまして、地球温暖化防止について学習を深めるとともに、年間の活動報告をコンティニューフォーラムということで、一年間の情報交換なりを集まってしていただくと、そして啓発に努めていただくというようなことをやりまして、地球となかよし県民運動の地域におけるリーダーとして、自主的、積極的に活動をしていただいているところでございます。 このような活動を通じ、家庭や事業所において、省エネルギーなど地球環境に優しい行動が促進され、地球温暖化の防止に貢献しているものと考えておりまして、本年度、県としましては、活動の手引を作成・配布することにいたしております。 これによりまして、推進員の方々の活動をさらに活発化していただきまして、地域で具体的な対策について提案をしていただくなど、より地域における地球温暖化防止活動の促進を図っていただくと、こういうことで施策を推進しているところでございます。 それから、地球温暖化防止活動推進センターでございますが、この推進センターは、地球温暖化防止対策を進める上で大変必要と思っております。 そういう意味で、このセンターの受け皿となる環境財団のような公益法人の設立につきましては、その役割や機能、管理運営について、現在、庁内九課室で設置しております「環境学習拠点施設の調査研究プロジェクトチーム」の中で、今後、調査・研究を進めていきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 前田商工労働部長。    〔商工労働部長 前田隆康君登壇〕 ◎商工労働部長(前田隆康君) 男女賃金格差の解消に関連いたしまして、再度のお尋ねであります。 先ほども御答弁申し上げましたように、今後、より詳細な調査を行いますので、それをもとに、賃金格差解消につながるいろいろな対策を講じてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(島田明君) 久保田さん、よろしゅうございますか。いいですかね。 畑原基成君。    〔畑原基成君登壇〕(拍手) ◆(畑原基成君) 自由民主党の畑原基成でございます。これまで、河村先生とともに、ビジョン21クラブということでやってきました。大変皆さんにはお世話になりました。今回、二人そろって自民党に入ったわけでありますので、またよろしくお願いしたいと思います。 さて、二井知事におかれましては、さきの知事選において二期目の当選、まことにおめでとうございます。元気で存在感のある県土づくりに全力で邁進してもらいたいと思います。 またあわせて、綿屋副知事には、御就任まことにおめでとうございます。 これから地方分権が始まる中で、いささか手元の狂った玉も必要じゃないかなというふうに考えます。大変厳しい財政の中でありますけど、予算の伴うことでありますから大変難しいとは存じますが、独自的なユーモアな夢のある、希望のある施策を必要と思います。希望いたしまして、通告に従いまして、一般質問に入ります。 まずは、都市農村交流を通じた中山間地域の活性化対策についてお尋ねをいたします。 中山間地域は、過疎化、高齢化が進行し、生産条件の面でも不利な要素が多いことから、深刻な担い手不足や後継者問題など、多くの問題を抱えております。 国土庁の調べによれば、これから五、六年の間に、全国で約五百の集落において人が住まない状態となり、その後の趨勢を考慮すれば、約二千の集落においての消滅の可能性があると言われております。 しかし、こうした中山間地域も、治山・治水等の県土の保全を初め、大気の浄化や水資源の確保、さらには保健休養の場の提供など、単なる経済の効率性では推しはかることのできない多くの機能を有しております。 平成十年に農林水産省が試算したところでは、全国の水田、畑地、農村が果たしている多面的機能を金額的に換算すれば、約六兆九千億円の評価額になるとのことであります。 日ごろ、何気なく目にしている中山間地域の風景が、実は大変な恵みを我々に提供してくれていることに、改めて驚かされるとともに、こうした恵みを次世代に引き継いでいく必要性があると痛感するところであります。 さて、本年七月末、私の地元であります玖北四カ町村を初め、山口、広島、島根の県境に位置する十七の市町村において、朝市などを会場とした「ルーラル・県境・フェスタ」が開催されました。 これは、ちょうど一年前に開かれた県境朝市サミットの成果をもとに、着々と準備が進められてきた全国的にも画期的な催しであります。中でも、地域ならではの特産品や農作業体験に人気が集まり、大変な盛況ぶりでありました。 農山村の女性や高齢者が生き生きと活躍し、こんな中山間地に、どこからこれだけの人が集まったのかと思われるほど人気を呼び込み、まさに「元気印」の地域づくりを象徴する催しであったと思います。 私は、こうした中山間地域が持っている潜在的なパワーを、決して一過性のイベントのみに終わらせてはならないと思うのであります。 皆さん御承知のとおり、ここには緑豊かな自然と美しい景観、その地域ならではの特産品や伝統にはぐくまれた文化など多彩な地域資源と、女性や高齢者を初めとする地域を支える担い手が存在しております。 昨今、価値観の多様化、ゆとりある生活への欲求や自然志向の高まりを背景として、都市住民の中山間地域に対する期待やニーズが強まっております。 私は、このような時代背景のもと、中山間地域の有する多様な地域資源や担い手を十分に生かし、地域活性化を図っていくためには、都市と農村の交流を推進し、交流人口の拡大を図っていく必要があると思います。 特に、本県は、広島や北九州といった大都市圏を近隣に抱え、山合いにおいても舗装された道路が行き交うなど、その地理的位置や交通アクセスは、都市との交流を進める上で絶好の条件を備えております。 そこでお尋ねしますが、今後、県におかれては、中山間地域の活性化を図るため、どのように都市と農村の交流を進めていかれるのか、お伺いをいたします。 次に、道路行政をお尋ねいたします。 岩国地域におきましては、隣接する広島中枢都市圏と連携し、県東部の活力を高めるために、「広域活力創造圏」の整備が進められております。 岩国圏域の住民や広島中枢都市圏の住民にとって魅力のある中核都市の形成を実現するためには、その基盤となる圏域内外を結ぶ規格の高い道路や地域間を連絡する幹線道路等の交通ネットワークの整備が必要であります。 しかしながら、岩国地域における主要幹線道路である国道二号、国道一八八号は、沿岸部を通り、増加する通過交通に加え、沿線部の住宅及び工場、港湾施設などの集積による大量の交通需要の発生により、円滑な交通機能の確保が困難な状況にあります。 特に、岩国市から和木町間の国道二号は、多くの渋滞箇所が存在するなど、慢性的な交通渋滞が生じており、経済活動、都市活動に多大な影響を与えていることから、一日も早い解決、解消が望まれております。 このため、平成六年に、岩国と大竹を結ぶ地域高規格道路として「岩国大竹道路」が指定され、計画が具体化されたところであります。 本道路は、国道二号、国道一八八号の慢性的な渋滞の解消や愛宕山新住宅市街地開発事業等の地域開発の促進はもとより、広島中枢都市圏との「交流と連携」を図る上で重要な役割を担う路線として、その早期整備は関係市町村の悲願であり、大いに期待をしているところであります。 この「岩国大竹道路」のうち「岩国南バイパス」については、昭和六十一年から、国より、岩国市山手町から藤生町までの約四・九キロメートル間のバイパス整備に着手され、昨年の三月には、南岩国町から藤生町までの側道部一・八キロメートルが供用されております。 さらに、岩国市山手町から大竹市小方までの約十キロメートル区間については、平成十一年度から新規着工準備箇所として事業着手されております。 現在の市内の渋滞状況を考えますと、本道路の一日も早い完成が望まれるところであります。 また、国道一八八号は、岩国、柳井の両広域生活圏を結ぶ唯一の幹線道路でありますが、由宇町から柳井市間は、異常気象時には通行が規制されるなど、幹線道路として十分に機能していない状況にあり、「サザンセト・サンシャインリゾート」地域へのアクセス強化、さらには、室津・大島地域の半島振興を促進する観点から、「岩国大竹道路」を柳井方面に延伸整備することが必要と考えており、この八月には、「岩国・柳井間地域高規格道路」の早期実現に向け、関係二市六町により期成同盟会が設立されたところであります。 そこで、「岩国南バイパス」延伸の見通しを含む地域高規格道路「岩国大竹道路」の整備促進について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。 次に、県道岩国大竹線の整備についてお尋ねをいたします。 県道岩国大竹線は、県道北中山岩国線を経由して、和木町と岩国インターチェンジ、新幹線新岩国駅といった広域交通拠点を最短距離で結ぶ路線であり、国道二号バイパス機能を持つ路線でもあります。 しかしながら、現道の幅員は、四メートル程度と狭隘であり、車の離合も困難な状況にあるため、現在、県当局によりバイパスの整備が鋭意進められているところであります。 本路線が完成すれば、国道二号の混雑を避け、大竹市、和木町方面から岩国インターチェンジ、新岩国駅を直結することができ、国道二号の渋滞緩和にも貢献することと思われ、その早期の完成が望まれるところであります。 つきましては、「県道岩国大竹線」の整備について、今後どのように取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いをいたします。 次に、錦川鉄道の経営対策についてお尋ねをいたします。 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法に基づき、日本国有鉄道の地方ローカル線の廃止により誕生した転換鉄道である第三セクター鉄道は、昭和五十九年四月に開業の岩手県の「三陸鉄道」を初め、昨年一月開業した岡山・広島県の「井原鉄道」など、全国に三十八社ありますが、これらの三セク鉄道は、開業後十年以上を経過した現在、その大半が、並行道路の整備とモータリゼーションの進展、過疎化・少子化による利用者の減少などにより、経営状況は一層厳しくなっております。 全国の第三セクター鉄道の平成十一年度の経営状況は、三十八社中、黒字は五社、赤字は三十三社で、そのほとんどが地方交通路線として運営してきたところを引き受けた鉄道であり、厳しい赤字経営を余儀なくされているのが実情であります。 第三セクター鉄道は、元来、経営が困難であることから特定地方交通線に指定された鉄道でありますが、地域住民の足や地域の活性化に必要な鉄道として、転換交付金、運営費補助、経営安定基金の積み立て、安全対策設備の補助等を前提として、第三セクター鉄道に転換されたところであります。 転換当初は、地域の熱気、使命感などに支えられ、地域の公共輸送機関としての使命を一身に担い、赤字額を積立金の果実、いわゆる利子分をもって補てんするという新しい仕組みで、華々しくスタートしたところであります。 しかしながら、近年のゼロ金利政策の影響をまともに受け、年々基金が減少し、現在は、当初の基金積立額を大幅に割り込み、このまま推移すれば基金が底をつくことになり、現行の仕組みのままでは、将来の地域の足としての第三セクターそのものの維持存続が非常に危ぶまれるのであります。 このことは、本県唯一の第三セクター鉄道であります「錦川鉄道・錦川清流線」においても例外ではないのであります。 御案内のように、昭和六十二年七月に第三セクター鉄道として開業した「錦川鉄道」は、発足当時、年間五十八万四千人いた利用客も、平成十一年度では四十三万八千人に大きく減少しており、鉄道経営対策事業基金も、当初六億六千百万円あった積立金が、最近三カ年の平均の経常赤字額は三千八百万円となっており、平成十一年度末現在の残額は四億九千四百万円となっています。 第三セクター鉄道としての一層の経営努力が必要であることは、言うまでもありません。 それにも限界というものがあります。今年度並みの経常損失が今後とも継続するようであれば、極めて深刻な経営危機に陥るものと思われますが、基金残額がなくなってからでは遅いのであります。 今後、錦川鉄道の維持存続に向けて、県としてどのように取り組まれようとしておられるのか、お尋ねをいたします。 最後になりますが、私は、このたび、「山口県議会欧州環境・福祉行政視察団」の一人として、イギリス、ドイツを訪問し、環境や福祉分野の先進的な取り組みについて、その実情を視察してまいりました。 このような貴重な機会を与えていただきました島田県会議長さんを初め諸先輩方に、厚くこの場から御礼を申し上げます。 視察団は、八月二十一日から三十日までの期間でありましたけど、それぞれの訪問先で関係者から詳しい説明を受けるとともに、意見交換や現地視察など、密度の濃い有意義な経験をさせていただきました。 視察の詳細につきましては、後日、文書をもって詳しく御報告をいたします。本日は、その主な概要を簡単に御報告いたしたいと思います。 なお、記者会見で述べた内容一切を県のホームページの方に登載してあります。 まず、最初の訪問地イギリスは、住民、企業、行政が、パートナーシップにより、地域の身近な環境を整備・改善する運動であるグラウンドワーク活動発祥の地であることから、その歴史や活動状況などについて学ぶとともに、実際に整備された公園などの各種プロジェクトを視察しました。 また、民間団体の設置している地域の福祉センターを訪問し、イギリスでの社会福祉全般の状況、センターによる地域福祉活動の状況などについて視察しました。 次の訪問地は、ドイツであります。 国際的にも環境先進都市として知られているハンブルグ州環境省を訪問し、都市部におけるごみ処理やリサイクルなどの環境行政の状況、課題などについて説明を受けるとともに、郊外にある旧廃棄物処理場で、過去の廃棄物埋め立てによる地下水、土壌汚染に対する浄化、監視対策について視察しました。 また、ボン市近郊のライジーン郡十九市町村が広域処理をしている地方で、ごみの分別収集、リサイクル処理の状況や分別収集された生ごみ、庭木によるコンポスト施設を視察しました。 今回の視察を通じまして、私がまず感じましたことは、ボランティア教育の重要性であります。イギリスの視察先でも、子供たちが無理なくボランティアに参加できるようなさまざまなプログラムが組まれ、小さな子供から高齢者まで生き生きとボランティアに参加している姿は印象的でありました。 次に、環境問題のうち廃棄物対策に当たっては、ごみの減量化が最も重要であるということです。ドイツにおいても、さまざまな形で減量化への取り組みがなされており、その取り組みは、我々の当面する課題への対策として大いに参考になりました。 また、今回の視察目的とは異なりますが、イギリス、ドイツ両国とも、多くの古い町並みや建物が残され、二百年、三百年前の建物が補修されて、アパートや公共施設として使われていました。歴史の重さや物を大切にする文化には大変感銘いたしました。 さて、帰国直後の感想を二、三述べさせていただきましたが、これから私なりに視察の成果を整理し、今後の議会活動に生かしてまいりたいと思っております。 ここで、視察に関連して、環境問題について一点お尋ねいたします。 それぞれの訪問先においては、歴史的背景や地域の実情は異なっているとはいえ、複雑に絡み合う環境問題の克服・改善に向けての取り組み姿勢については、相通ずるものを感じました。 それは、自分たちの住んでいる地域の環境は、自分たちの知恵と努力で、魅力的でより快適なものにしていきたいという熱い思いであり、ともすれば対立関係にある住民、企業、行政の垣根を越えた一体となった行動が大きな原動力となって、他に誇れるような先進的な取り組みを可能にしたとの印象を強く持ちました。 まさに、環境問題への対応に当たっては、地域で生活する住民一人一人の理解と協力と主体的な行動が不可欠であり、このことなしに環境問題を解決していくことは困難であるということを痛切に感じました。 そこでお尋ねしますが、私の住む地域の現状を見ますと、本郷村と美和町との境に産業廃棄物の最終処分場が計画され、我々の生活に大きな問題として差し迫っています。 その件に関しましては、かねてより本議場においても取り上げられてきたところですが、計画予定地が清流錦川の上流に位置しており、万が一、この中に有害物質が処理されずに混入したり、廃棄物が流出するようなことになれば、周辺住民のみならず、錦川を水道水源とする岩国市民に至るまで、日常生活や健康面に著しい悪影響を及ぼすことが懸念されます。 こうしたことから、先般、地元住民約九万五千人分もの多くの反対署名がなされ、県知事を初め関係機関に対し、建設反対に向けた強い要望がなされました。 最終処分場が逼迫し、喫緊の課題となっていることとはいえ、まずは地元住民の理解と協力が大前提であり、この大きな声を真摯に受けとめて対応する必要があると考えますが、現在までの進捗状況とあわせ、県の御見解をお伺いいたします。 以上をもちまして一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(島田明君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 畑原議員の御質問のうち、私からは、中山間地域における都市農村交流についてお答えを申し上げます。 都市と農村の交流は、中山間地域の活性化を図る上で極めて重要であります。 これまでも、道の駅等の交流施設の整備を初め、「県境朝市サミット」や「豊関まるかじりフェスタ」等の多様な交流活動の推進、さらには、交流情報誌の「ルーラル」の発行による幅広い情報の発信、交流を担う人材の養成などに努めてまいりました。 この結果、交流人口の拡大や農産物販売額の増加など、着実に成果が上がりつつあると考えておりますが、今後、さらに交流活動の継続的な発展を図るためには、広島や福岡に隣接する山口県の地理的利点や恵まれた道路網を生かして、広域的な交流を推進するとともに、豊かな自然や多彩な農産物などを生かしながら、都市住民のニーズの多様化に対応した交流内容の充実を図ることが重要であると考えております。 このために、これまでの対策に加えまして、お示しがありましたように、広島、島根との共同による「ルーラル・県境・フェスタ」などの広域的な交流活動を全国に先駆けて、本年度から本格的に実施するということにいたしたところでございます。 また、道の駅等の交流施設の連携による共同販売や共通イベントの実施、インターネットを活用した県内外への情報発信や特産品の販路拡大など、県独自の広域的な交流ネットワークづくりを進めます一方、「食」や「体験」への都市住民の関心の高まりに対応して、地域ならではの素材を生かした「食」の開発や滞在型体験農園施設の整備などの取り組みを重点的に進めるということにいたしております。 さらに、来年度におきましては、「山口きらら博」を都市農村交流推進のための新たなステップとし、「きらめき・みのりパーク」の出展を通じて、本県農林業・農山村の魅力を県内外へ広くアピールをいたしますとともに、道の駅等の周遊モデルルートの設定や新たなルーラルフェスタの路線の開設など、きらら博の効果が県下全域に波及するような広域交流の仕組みづくりを進めるということにいたしております。 今後とも、市町村や関係団体等と連携をしながら、本県の特性や多様な地域資源を生かした都市農村交流を積極的に推進をし、中山間地域の活性化に努めていく考えであります。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答えいたします。 ○議長(島田明君) 西本土木建築部長。    〔土木建築部長 西本久之輔君登壇〕 ◎土木建築部長(西本久之輔君) 道路行政に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、地域高規格道路「岩国大竹道路」の整備と「岩国南バイパス」の柳井方面への延伸の見通しについてであります。 岩国大竹道路は、岩国市藤生町から大竹市小方までの延長十五キロメートルの地域高規格道路であります。 この路線のうち岩国市藤生町から山手町までの区間は、国道一八八号「岩国南バイパス」として既に事業化されており、一部区間の供用により、海土路交差点の渋滞が大きく緩和されたところであります。 また、岩国市山手町から大竹市小方までの未着工区間につきましては、平成十一年度新規に事業採択されたところであり、本年八月三十一日広島県側が、九月一日には山口県側が、それぞれ都市計画決定され、事業化の見通しが立ったところであります。 県といたしましては、県東部地域における広域活力創造圏の整備を推進するため、地域高規格道路「岩国大竹道路」の事業促進について、引き続き建設省に要望してまいりたいと考えております。 次に、国道一八八号「岩国南バイパス」の柳井方面への延伸の見通しについてであります。 当延伸区間は、「山口県広域道路整備基本計画」において、新たに広域道路として位置づけたところであり、今後、沿線の二市六町で結成された「岩国柳井間地域高規格道路建設促進期成同盟会」とともに、整備手法について研究してまいりたいと考えております。 最後に、県道岩国大竹線の整備についてであります。 県道岩国大竹線は、大竹市・和木町方面から広域交通拠点である山陽自動車道岩国インターチェンジ・新幹線新岩国駅への連絡や、国道二号の渋滞緩和を目的に、平成八年度から道路改良工事に着手したところであります。 これまで用地買収を主体に進めてまいりましたが、今年度は、岩国市側の橋梁工事に着手することとしており、岩国地域の交通渋滞緩和や広域交通拠点へのアクセスの改善を図るため、早期供用が図れるよう事業推進に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(島田明君) 前田商工労働部長。    〔商工労働部長 前田隆康君登壇〕 ◎商工労働部長(前田隆康君) 私からは、錦川鉄道の経営対策についてのお尋ねにお答えします。 お示しのように、国鉄再建の一環といたしまして、特定地方交通線から転換をいたしました第三セクター鉄道は、全国的に見ましても、そのほとんどが極めて厳しい経営状況にございまして、錦川鉄道も同様に、開業以来赤字が続いているところであります。 このため、県といたしましては、錦川鉄道の経営安定のため、沿線市町村で構成される「錦川鉄道対策連絡協議会」と連携をいたしまして、鉄道の近代化を図るための通信設備の改良や安全施設の整備などへの補助を初め、利用促進のためのPR活動や車両ペインティング事業などへの支援を行ってまいりました。 また、全国の関係道府県で組織をしております「第三セクター鉄道等道府県協議会」、これを通じまして、運輸省を初め関係省庁に対して、補助事業の拡充等、第三セクター鉄道会社への支援措置の強化を要望いたしておるところであります。 今後の錦川鉄道の経営対策につきましては、昨年七月設置された沿線市町村と県で構成をいたします「錦川鉄道存続検討研究会」、これにおきまして、経営安定のための基金が年々減少する状況等を踏まえまして、錦川鉄道への支援方策等について検討を行うことにいたしております。 県といたしましては、錦川鉄道は、玖北地域の重要な公共交通機関であるというふうに考えておりますので、引き続き沿線市町村等と連携をし、利用促進、鉄道近代化等の支援を行いながら、経営の安定が図られるよう努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) 本郷村と美和町の境に計画されている産業廃棄物最終処分場についてのお尋ねにお答えをいたします。 産業廃棄物最終処分場の設置については、地域の生活環境の保全が図られるとともに、地元住民の方々のコンセンサスを得ることが何よりも重要であることは、お示しのとおりであります。 このため、本県におきましては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づく許可申請に先立ち、「山口県産業廃棄物適正処理指導要綱」による事前協議を行うことが必要としております。 お尋ねの産業廃棄物最終処分場の計画につきましては、事業者から岩国環境保健所に対して、平成十年十二月に廃棄物処理法及び指導要綱に基づく手続について相談があった後、十一年十月に生活環境調査が提出されたので、県の指導要綱に基づき、説明会の開催や承諾の取得の対象となる関係地域の範囲を本郷村の四自治会及び美和町の一自治会としたところであります。 しかしながら、現在まで、この関係地区の住民の方々への説明会の開催や承諾の取得等がなされておらず、事前協議書は提出されておりません。 こうした状況の中で、事業者は、本年六月に設置許可申請書を提出してきたため、岩国環境保健所は、許可申請に先立ち、指導要綱に基づく手続を行われたい旨の文書を付して、許可申請書を返却したところであります。 また、本年七月に、本郷村、美和町を初め錦川流域の地元住民の方々から、約九万五千人に及ぶ建設反対の署名簿が提出されたところでございます。 県といたしましては、こうした状況を踏まえ、今後とも、生活環境の保全への配慮はもとより、地元住民等のコンセンサスが必要であるとの基本認識のもとに、地元町村等関係機関の意見を聞きながら、指導要綱や廃棄物処理法に基づき、厳正に対処していく考えであります。 ○議長(島田明君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時四十六分休憩    午後一時開議 ○副議長(横山豊治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 △日程第三一般質問 △日程第四議案第一号から第二十号まで、第二十二号及び第二十三号 ○副議長(横山豊治君) 日程第三、一般質問を行い、日程第四、議案第一号から第二十号まで、第二十二号及び第二十三号を議題とし、質疑の議事を継続いたします。小泉利治君。    〔小泉利治君登壇〕(拍手) ◆(小泉利治君) 民主・公明・連合の小泉利治でございます。このたび、私も、欧州環境・福祉行政視察団の一員として、「環境問題」及び「高齢者福祉問題」等の実情を学ぶ機会を与えていただきまして、先進国の実情をつぶさに視察してまいりました。 実質八日間という短い期間でございましたが、私なりに大変貴重な経験をさせていただいたところであり、関係の皆様に深く感謝申し上げるとともに、この貴重な経験をそれだけで終わらせることなく、その成果を今後の県政推進のために生かしていきたいと、気持ちを新たにしているところでございます。 初めに、今回の欧州視察を通じ感じたままに、環境問題について、数点にわたり質問いたしたいと思います。 第一点目は、グラウンドワーク活動への取り組みについてであります。 最初の訪問地イギリスは、グラウンドワーク活動発祥の地として知られていますが、この活動は、ともすれば、今まで環境問題などをめぐり対立しがちであった「住民」、「事業者」、「行政」の三者が、パートナーシップを組み、その問題の解決に向けて、地域の身近な環境を整備・改善していくものであります。 私たちが視察したグラウンドワーク・ウエストロンドンは、自治体と企業が共同で出資した非営利の活動組織であり、ここでは、環境分野の専門家が雇用され、緑化事業から環境教育、人材トレーニングやキャンペーンに至るまで、さまざまな活動が実施されていました。 また、地域のニーズに的確に対応できるよう、活動の計画段階から地域住民の代表が参加し、意見が反映されるような仕組みとなっており、地域の厚い信頼のもとに活動が行われていた様子が大変印象的でありました。 複雑に絡み合う環境問題に適切に対応し、住みよい地域社会を築いていくためには、こうした活動の果たす役割は、今後ますます大きくなってくると思われます。 本県においても、県民、事業者、行政がお互いに連携・協働しながら、自主的、主体的に環境保全活動などへの取り組みを進める「環境パートナーシップ形成支援事業」を昨年度から実施されています。 この事業が、地域に根差して充実・発展していくためには、それぞれの主体が持つ役割は重要となってきており、特に企業などの事業者には積極的な取り組みが期待されます。 そこでお伺いしますが、本県での取り組みについては、どのように事業者とのかかわりを持たれているのか、また、環境パートナーシップをより強固なものとしていくために、今後どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。 第二点目は、廃棄物最終処分場の管理対策についてであります。 次の訪問地ドイツのハンブルグ市では、以前、ごみの処理は、埋め立てが一番安い方法であるため、ほとんどのごみを埋め立てで処理していたところ、その集積場周辺でダイオキシン問題が発生したことを発端に、ごみ処理の見直しを迫られました。 そこで、液状廃棄物を含むごみの集積場から、毒性の汚水やガスで周辺環境が汚染されることのないよう、ガス抜きのための浄化装置を設置するなど、コンピューターを駆使した最新技術で、汚染土壌の浄化・監視が実施されていました。 この対策には、膨大な費用が費やされていましたが、これは初期の健全なごみ対策を怠ったためであり、初期対策の重要性を改めて痛感させられました。と同時に、その後における完璧な汚染防止対策がなされたことは、さすが環境の先進地であると感心させられました。 一方、我が国でも、昨年十月、福岡県筑紫野市の安定型の産業廃棄物最終処分場で、有毒ガスの硫化水素が発生し、作業員三名が死亡する事故などが発生しており、最終処分場での管理対策が大きな問題となっています。 厚生省の全国調査によりますと、硫化水素が発生し、悪臭被害などが出ている最終処分場は、全国で十一カ所確認され、最も濃度が高かったのは、致死量の約十五倍に当たる一万五千二百ppmを記録した滋賀県の最終処分場であります。 幸いにも、本県では該当がありませんでしたが、この問題は、他県のことでは済まされない問題であります。幾ら安全といっても、地域住民の最終処分場に対する不安はぬぐい切れないものがあるのではないでしょうか。 そこでお尋ねしますが、このような安定型の廃棄物最終処分場の問題を踏まえ、県として、どのように対応されるのか、お伺いいたします。 第三点目は、環境学習についてであります。 視察の最終日に、ボン市近郊にある最終処分場の建設現場を視察いたしました。 処分場の敷地の一角に、生ごみによるコンポスト施設が設置され、そのそばにコンポスト・ガーデンという公園がありました。 ここでは、ごみがどのように処理されていくのか、また、どのように再利用されるのか、また、堆肥化はどのような仕組みかという一連のシステムが整備され、体と目を通して、だれでも容易に理解できるような学習の場にもなっていました。 担当者によりますと、「ごみがどのような過程を経て収集され、どのように処分されるのか等々を含めた環境学習については、子供のころから学ぶことが大切である」と、早い時期からの環境学習の重要性を強調されていました。 また、このように処分場近くで、ごみ処理の過程を知り得ることは、ごみ問題を理解し、環境の意識を高めていく上で、大変効果的であると思われました。 実際、今回訪問しました処分場では、毎日かなりの児童生徒が見学に来ており、子供たちの学習に大いに役立っているとのことでありました。 私は、これからの環境学習を推進していくためには、このコンポスト・ガーデンで行われているような、実際に目で見て体験する学習が極めて重要であると思います。 そこでお尋ねしますが、本県では、ごみ処理場などの学習施設の有効活用を含め、体験を重視した環境学習にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。 第四点目は、循環型社会への取り組みについてであります。 今回の視察を通じ、それぞれの視察先で、環境問題の解決に向けて真剣に取り組んでいる様子をうかがい知ることができました。 また、ごみ対策については、共通の差し迫った問題となっており、その重要性を再認識したところです。 こうした問題を克服していくためには、社会全体で、環境への負荷が少ない循環型社会の実現に向けた取り組みを進めていくことが、まさに求められており、そのことが明るい希望の持てる将来へのかぎを握っているとも言えます。 我が党の主張している循環型社会は、地球環境の保全と環境効率のよい経済発展の二つの柱になっております。 その骨格は、ごみとして廃棄された物質の量を減らすリデュースはもちろん、利用した後に再使用、再利用を積極的に推進し、それでも出る廃棄物は無害化処理して処分するというシステムをつくり、地球環境を保全しながら、一般的に経済発展を抑えるようなイメージのあるリサイクル、リユースを逆に思い切って活用し、経済の活性化を図るというものであります。 私は、このような基本的な考えのもとに、例えば、風力発電などの自然を生かした新エネルギーの開発や、古紙や木くず、生ごみを再商品化するなど、今までになかった産業分野を開拓し、新しい技術や雇用を確立し、新時代にふさわしい経済発展を図っていくことが必要であると考えます。 二十一世紀を安心と活力のある時代とするために、社会システムを大きく構造改革させ、徹底した循環型社会を実現しなければならないと考えます。 こうした中、県におかれては、循環型社会の実現を目指し、ごみ焼却灰のセメント原料化や廃プラスチックの資源化に向けた実証試験などを実施するとともに、「ごみゼロ社会づくり」に向けての具体的な行動促進計画となるゼロエミッションプランの策定に取り組んでおられます。 こうした取り組みを進めていく上では、広域的なリサイクルシステムの構築など、対応すべき問題も多くあると思いますが、その先駆的な取り組みは、環境立県山口県のあかしでもあり、今後の成果に大いに期待するものであります。 そこでお尋ねしますが、現在、策定中のゼロエミッションプランについて、どのような考え方のもとに進められているのか、進捗状況とあわせてお伺いします。 また、平成十一年度から取り組まれている実証試験について、現在の状況と今後の取り組みについてお伺いします。 次に、アレルギー対策についてお伺いいたします。 このアレルギー対策につきましては、本年二月議会におきまして、「アレルギー性疾患対策の早期確立を求める要望決議」を全会派一致で可決したところであります。 また、それに先立ち、我が党は、昨年十一月、党内に「アレルギー疾患対策プロジェクトチーム」を設置、治療機関の視察や研究者との意見交換を行うとともに、国会審議を通し対策強化を主張。また、そうした動きと並行して、我が党の全国の女性議員を中心として署名活動を展開して得た一千四百六十四万人分の切なる思いを本年四月、森喜朗首相に提出し、大きく報道されたところでございます。 さて、こうした各般の動きの中、このたび科学技術庁は、理化学研究所の筑波研究所内に、「免疫・アレルギー科学総合研究センター」の設置を要求。それが、このたびの概算要求に約四十億円という額で反映され、来年四月の設置が見られそうなのであります。 そして、同センターは、二○○五年を目標に、花粉症予防やアトピー性皮膚炎の根本療法のための薬剤開発を目指すとしております。 さらには、厚生省も、「免疫異常ネットワーク支援システム」を構築し、国立病院のネットワークを活用し、症例のデータベースを解析するなどにより、治療指針を作成し、標準的な医療の普及を図るとしております。 このように、国民の三人に一人は、ぜんそく、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に悩んでいると言われる新たな国民病である「アレルギー疾患」対策が、今、国において、省庁をまたぐ形で大きく動き出したのであります。 さて、こうしたすばらしい情報を前に、アトピーで血だらけになった子供を抱きかかえ、医療を頼みながら毎日一生懸命頑張っておられる本県のお母さんに、また、ぜんそくで、花粉症で、大変な思いで生活されておられる県民の皆様、また家族の方々に、今、きょう、一刻も早く、どうこたえてあげられるのかが、「しっかり実行」の二井県政であると考えます。 そこで、我が県においても、こうした国の動きを注視するとともに、刻々と研究が進む国の情報と相まって、本県の健康福祉センターをネットした難病対策システムとの連携を強化し、アレルギー性疾患の患者や家族の方々に対し、身近に価値ある相談ができる窓口の体制整備に着手するとともに、予防や適切な治療法の選択などに関して、相談に応じ、必要な助言や指導を行える保健婦等を養成する体制を早急に整えるべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。 また、県民に対し、アレルギー性疾患に関する正しい知識の普及を図るため、教育や広報活動に力を入れる体制を整備すべきと考えますが、あわせてお伺いいたします。 次に、消費者行政について、複雑、高度化する現代社会にあって、近年、消費者を取り巻く情勢は大きく変化しており、それに伴って、消費取引をめぐるトラブルが大きな社会問題となっております。 特に、高齢者や社会的経験の浅い若者をターゲットとした、悪質商法による被害が目立ってきており、その手口も、ますます悪質、巧妙化する傾向にあります。 悪徳商法と言われるものとしては、例えば、ネガティブ・オプションといって、注文しない商品が勝手に送られてきて、受け取った以上支払わなければならないと消費者が勘違いして、代金を支払うことをねらった商法や、マルチ商法、キャッチセールス、アポイントメントセールス、現物まがい商法、S・F  催眠商法等々相当数あり、また、交通機関や通信手段、インターネットなどの発達により、被害の広域化も指摘されています。 こうした中で、県の消費生活センターでは、悪徳商法の被害を初めとする消費者被害の相談窓口として、県民の声を直接聞き、その救済に大きな役割を果たしているところであります。 また、センターでは、個々の相談者の紛争解決だけでなく、消費者啓発、消費者取引の適正化など、消費者被害を未然に防止するためのさまざまな活動を実施していることは、周知のとおりであります。 ところで、県内市町村の消費者行政の実態は、県の調べによりますと、独立した形で消費生活センターや係以上の機構を設けている市町村はほとんどなく、また、専任の消費生活相談員を配置している自治体も三市と極めて少なく、必ずしも十分な体制が整っているとは言いがたい状況であります。 私は、百五十万県民の暮らしを守るためには、日々の生活に密接にかかわる消費者行政は大変重要なものであると認識をいたしております。そのためには、消費者に最も身近な市町村窓口の充実強化を図ることは極めて重要であると考えております。 そこで、環境生活部長にお伺いしますが、県は、県民の消費生活を守る立場から、市町村との連携を図りながら、消費者被害の防止対策にどのように取り組んでおられるか、お伺いします。 次に、国際交流について質問いたします。 グローバルな時代を迎え、ますます国際交流は盛んになってきております。 これまで自治体は、姉妹都市、姉妹州県の提携という形で、海外各都市・州との交流を進めてきましたが、それらは、ともすれば、首長同士、あるいは役所レベルだけで交流して、互いに共同宣言をつくって終わりという場合が少なくなく、もう一歩ダイナミズムに欠けていたとの感は否めません。 その意味で、現場感覚にあふれる自治体ならではの交流が、必要になってくるのではないかと思います。国家外交では果たし得ない、草の根タイプの自治体交流を一層展開していくべきであると私は思います。 自治体交流には、県民または行政が行うものもあり、県民が行うものを行政がサポートするもの、反対に、行政が行うことを県民がサポートするもの、また、企業が行っていることを県民と行政がサポートすることなど、さまざまなパターンがあってよいと考えます。 そこで、知事にお尋ねいたします。私は、国際交流の原点は、人種、国境、イデオロギーを超えて、世界平和のために、草の根外交を展開していくことだと考えます。山口県においては、数々の施策が実施されておりますが、時代の変遷に伴い、内容も方法も変わってきますので、二十一世紀に向かって、世界貢献のため、また山口県のために、さまざまな形での自治体交流をどのように展開をしていくのか、そのあり方についてお伺いいたします。 次に、「やまぐち情報スーパーネットワーク」の整備に関連し、教育の情報化についてお尋ねいたします。 二井知事は、高度情報化社会の到来を見据え、就任後、いち早く高度情報化に取り組まれ、平成十三年度の運用開始を目指し、光ファイバー網による「やまぐち情報スーパーネットワーク」の構築に着手されました。 また、今回の知事選挙では、その具体的実施を公約の柱の一つとして、県民に訴えられました。新しい世紀へ向けて、まことに頼もしい限りであります。 さて、地方分権が実行段階に入った今日、各地方自治体においても、情報通信基盤をいかに活用するか、知恵で競争する時代となります。 我が会派は、昨年九月議会から、情報通信立国・電子政府の確立に関連して、四回にわたり先輩議員が質問をいたしております。今回は、その後を引き継ぎ、本県の情報スーパーネットワークに関連し、教育現場における情報化の推進に関する諸課題について質問をいたします。 近年、公立学校のインターネットの接続率は、急速に伸びています。文部省の調査によりますと、今年三月末現在で、小中高の公立学校の接続率は、当初の目標を一○ポイント上回る五七・四%で、来年度中にはすべての学校へ接続を完了する計画となっています。 このように、情報環境整備は急速に進んでいますが、一方では、幾つかの課題も指摘されているのであります。 一つ目の課題は、今議会でも質問がありました教員の資質向上についてであります。 文部省調査によりますと、コンピューターを使って児童生徒に教えることができる教員の数は、約三割強にしかすぎず、これへの対策が急がれます。 この問題については、教育長から計画的に教員研修をしていくとの答弁をいただいておりますので、その積極的な取り組みをこの場でお願いいたしておくにとどめます。 二つ目の課題は、ソフトの開発であります。 コンピューターの活用によって、教科書を使って知識を教え込む授業から、教員が授業をデザインし、児童生徒の学習活動を支援する形に授業は変わっていきます。情報環境整備の急速な進展に合わせたソフト開発が急務であります。 特に、二○○二年四月から実施される新しい学習指導要領のもとで新たに設けられる「総合的な学習の時間」では、子供たち自身が自分の課題を追求しながら、さまざまな情報を集めていく主体的な学習を進めることが求められ、インターネットの活用が大いに期待されているのであります。 また、本県においては、情報スーパーネットワークの供用開始に合わせて、県内のすべての学校が参加した山口県方式の学校間ネットワークの構築が待ち望まれております。 そこで、教育長にお尋ねいたします。県教委においては、既に情報教育指針の作成やインターネットを活用した実践的な研究に取り組まれておられると聞いておりますが、本県の子供たちがIT革命の波に乗りおくれないように、ソフトの開発を急がれる中、現在行われている研究事業の現状がどうなっているのか、お伺いいたします。 以上であります。(拍手) ○副議長(横山豊治君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 小泉議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、ヨーロッパの視察を踏まえての環境問題についての御質問のうちで、循環型社会についてお答えを申し上げます。 私は、従来から、環境への負荷の少ない循環型社会の構築を県政の最重要課題として位置づけ、「ごみゼロ社会づくり」を目指して、廃棄物の発生抑制やリサイクルの促進等、ゼロエミッションの推進に積極的に取り組んでおります。 そこで、お尋ねのゼロエミッションプランについてでありますが、このプランは、県下全域において、地域の特性に応じた廃棄物の発生抑制、再使用、再生利用等を推進し、本県独自の循環型社会を構築していくための具体的な行動促進計画として位置づけております。 このプランの策定に当たりましては、県民、企業、大学、行政により構成する「山口ゼロエミッション推進協議会」において、現在、県内の環境関連技術等の現状分析を行いながら、プランに盛り込むべき重点プロジェクトの掘り起こしや実現可能性調査を進めているところであります。 今後、協議会の意見を踏まえ、今年度じゅうに取りまとめていきたいと思っております。 次に、実証試験についてのお尋ねでありますが、私は、いわゆる「山口方式」と呼べるような、山口県の特色を生かした独創的な施策を積極的に展開していきたいと考え、二十一世紀における本県のゼロエミッションをリードする一つの戦略として、焼却灰や廃プラスチックの資源化に係る実証試験を全国に先駆けて実施いたしております。 具体的には、セメント・化学等の素材型産業の特性を生かして、県内で排出をされる焼却灰をセメントの原料に、廃プラスチックを化学製品の原料等に活用しようというものでありますが、既に焼却灰の脱ダイオキシンや廃プラスチックの脱塩素等の前処理試験については良好な成果を得ており、今年度は、セメントキルンやガス化炉への本格的な投入試験を行うことにいたしております。 さらに、この実証試験の成果等を踏まえ、平成十三年度には、国のエコタウン事業の地域承認を受けまして、焼却灰や廃プラスチックの広域的なリサイクルシステムの構築を図るとともに、環境関連産業の育成・集積を推進していきたいと考えております。 次に、アレルギー疾患についてのお尋ねでございます。 アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患につきましては、発症の原因が多岐であり、根本的な治療法も確立されていないということから、多くの患者さんが長期にわたって治療を受けておられ、患者や家族の方々は、アレルギー疾患についての正しい情報や治療等についての相談・助言を、求めておられるところであります。 このため、本県におきましては、これまで健康福祉センター等において、小児ぜんそくやアトピー性皮膚炎等について、教室の開催や個別相談を通じて、適切な医療や日常生活の留意点などの情報をきめ細かく提供し、助言を行っております。 また、国におきましては、これまでアレルギー疾患の原因や病態の解明、治療法等の研究を進めてきており、今後、得られた成果や最新の医療技術、また正しい知識について普及を図ることとしております。 今後、県といたしましては、国の調査・研究の成果等の的確な把握やアレルギー疾患に関する情報の収集を行い、市町村や関係機関と連携をしながら、県民の方々に対し、正しい知識の提供や適切な予防方法、治療方法の普及に努めますとともに、患者や家族の方々からの相談に適切に対応できますように、健康福祉センター等で相談に携わる保健婦等の研修を充実させるなど、その相談支援体制づくりに努めてまいります。 次に、国際交流についてのお尋ねでございます。 今日、国際化が急速に進展をいたします中で、県におきましては、平成九年三月、新たに「やまぐち国際化推進ビジョン」を策定し、「世界と手をつなぎ世界と共に生きるやまぐち」を目指して、交流のあり方を従来の友好親善から国際協力や国際連携を重視したものへと進化をさせているとこでございます。 具体的には、本県が友好・姉妹提携を結んでいる中国山東省や韓国慶尚南道との交流におきましても、県民ボランティアの参加をいただいている地球環境保全のモデル森林「緑の黄河友好林」事業を初め、三大学トライアングル学生交流事業、また国際環境シンポジウム、東アジア文化のつどいの開催など、新たな事業の取り組みを行っております。 また、広域的な国際交流の取り組みとしては、平成十一年度に参加をいたしました「日韓海峡沿岸県市道知事交流会議」において、住民親善イベント、広域観光、水産等の共同交流事業に新たに取り組んでおります。 さらに、開発途上国への医療援助、学校校舎の建設、伝統文化保存活動など国際協力活動を行っているNGOに、県として支援を行うなど、活動促進のための環境整備も図っております。 このように、すそ野を広げた、より実質的、効果的な国際交流を展開し、進化させているところでありまして、今後とも、本県と交流地域の相互発展の立場から、県民、民間団体、大学、市町村等の活力を生かしながら、その努力をまた積み重ねてまいりたいと考えております。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(横山豊治君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) まず、環境問題に関します三点のお尋ねにお答えをいたします。 一点目は、「環境パートナーシップ形成支援事業」についてのお尋ねであります。 今日の環境問題の解決に向けては、社会を構成するすべての者の協力・連携した取り組みが極めて重要であり、お示しのように、平成十一年度、山口方式のグラウンドワークを目指した「環境パートナーシップ形成支援事業」を開始し、現在、七地域において、民間団体、事業者、行政による環境パートナーシップ会議が設立されており、それぞれ地域に根差した特色ある環境改善・創造への取り組みが行われているところであります。 お尋ねの本事業における事業者とのかかわりについてでありますが、パートナーシップを形成するそれぞれの主体が、自主的、積極的にその役割を担うことが必要であります。 県としても、事業者は主要なパートナーとの認識のもと、積極的な参加を呼びかける中で、その趣旨に賛同する事業者からは、地域の一員として、ケナフの栽培や環境にやさしいまちづくり活動等への参加、または資材及び資金の提供等の協力を得ているところであります。 次に、今後の取り組みについてのお尋ねであります。 本年五月に、地域環境パートナーシップ会議で構成する全県組織の広域会議が設立され、活動を促進するための新たな体制が整備されたところであります。 県といたしましては、こうした活動を地域に根づかせ、その活動の輪を広げるため、この広域会議が行う環境改善・創造に向けた新たな取り組みや情報発信等に対し、積極的な支援を行うとともに、今年度新たに創設した「やまぐち環境カレッジ」の開催により、地域環境改善の指導者の養成に取り組んでいくこととしております。 今後とも、広域会議と連携を密にして、県民、事業者、行政が一体となって、豊かな環境づくりの活動が全県に浸透するよう、日本グラウンドワーク協会から高い評価をいただいております山口方式の「環境パートナーシップ形成支援事業」等の取り組みを積極的に推進してまいりたいと考えております。 次に、二点目は、廃棄物最終処分場についてのお尋ねであります。 廃棄物処理法の規定により、安定型の廃棄物最終処分場では、廃プラスチック、金属くず、瓦れき類などの水質汚濁のおそれのない五品目が埋立処分できることとなっておりますが、お示しのように、福岡県筑紫野市を初め全国的に、安定型処分場で硫化水素による悪臭被害等が発生しております。 このため、厚生省では、本年五月に設置した「廃棄物最終処分場における硫化水素対策検討会」において検討を進め、去る九月六日に、現段階で考えられる発生原因や当面講ずるべき対策等について報告されたところであり、その対策としては、ガス抜き等の臭気対策や覆土による雨水浸入防止対策等が上げられています。 本県では、この硫化水素の発生が社会問題となっていることから、本年五月緊急に、県内八十三カ所のうち、処分場の規模の大きい二十五カ所において調査したところ、二カ所において微量の硫化水素が検出されたところですが、硫化水素による悪臭等の被害はなく、生活環境保全上の問題はなかったところであります。 県といたしましては、今後、未調査の処分場の実態把握に努めるとともに、安定型処分場の適正管理が行われるよう、処分場設置者に対し、埋め立て前の展開検査による搬入廃棄物の徹底したチェックや、必要に応じたガス抜き等の硫化水素の発生防止対策について、監視・指導を徹底していく考えであります。 次に、環境学習についてお答えをいたします。 実効ある環境学習を推進するためには、お示しのとおり、知識の習得のみならず、子供のころからの実体験を通じ学習をしていくことが極めて重要であると認識をいたしております。 このため、県では、平成十一年三月に策定しました「環境学習基本方針」に基づき、循環・共生型社会の実現に向けて行動できる人の育成を目標に、環境学習を総合的に推進しているところであります。 この中で、県民に身近なごみ処理場やリサイクルプラザなどを活用した、「ごみ問題」等についての体験型学習プログラムを作成するとともに、これらの施設等を環境学習施設として登録・ネットワーク化し、県民等への周知を行うことにより、地域、学校、家庭での体験学習の促進を図っているところであります。 今後、小学校入学前の子供のころからの、自然や生き物等との触れ合いを体験する「こども環境学習プログラム」を今年度新たに作成するなど、プログラムの拡充・整備を図るとともに、「やまぐち環境カレッジ」等を活用した指導者の養成や、数多くの体験的な環境学習機会の提供を行っていくこととしております。 また、来年開催いたします「山口きらら博」の「いきいき・エコパーク」においても、来場者に目に見える形で、ごみコンポスト化の過程を示すほか、さまざまな自然との触れ合いなどの体験プログラムを実施することとしております。 県といたしましては、今後とも、家庭、学校、地域、企業と連携し、次代を担う子供たちを初めすべての者が、環境の保全・創造に取り組んでいただくため、あらゆる機会を通じた環境学習を積極的に推進していくとしております。 次に、消費者被害防止対策の取り組みについてのお尋ねであります。 最近の消費者を取り巻く環境は、お示しがありましたように、悪質商法等の消費取引に係るトラブルが多発しており、県消費者生活センターの相談件数も、平成十一年度八千四百九件、対前年比一○八・四%と、年々増加の傾向にあります。 この苦情相談等への対応は、まずは、消費者に最も身近な市町村において可能な限り処理されるものであり、県としては、広域的、専門的苦情相談について処理していくことが、それぞれの役割分担と考えております。 しかしながら、御指摘のように、県下の市町村においては、その相談体制が十分とは言えない現状にあることから、県消費者生活センターを通じ、市町村に対して、処理困難な事例に対する助言、消費者相談処理マニュアルの発行、市町村消費生活相談担当者を対象とした各種研修会の実施、悪質商法等の情報提供など、消費生活相談窓口の指導・支援を行い、その処理に当たっているところであります。 また、とりわけ、高齢者や若年層を対象とした悪質商法被害の未然防止については、市町村や消費者団体と一体となって開催する消費者問題セミナーや、老人クラブ、高校、大学等からの要請に応じて行う出前講座などを通じて、消費者意識の高揚を図っているところであります。 さらには、消費者の利益を守るため、新たに制定された「消費者契約法」が来年四月一日に施行されることから、その円滑な施行に向けて、市町村担当者、消費者団体、事業者等を対象に説明会を開催し、その周知徹底に努めているところであります。 今後とも、市町村に対し、専門的な知識を有する相談員の設置等の体制整備を引き続き要請するとともに、市町村との連携を一層強化し、消費者啓発、苦情相談処理等、消費者被害の防止対策に積極的に取り組んでまいる考えであります。 以上であります。 ○副議長(横山豊治君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 学校におけるインターネットを活用した研究事業の現状についてのお尋ねに、お答えを申し上げます。 急速に進展をする情報通信社会の中で、子供たちが必要な情報を主体的に選択し、新たな情報を創造・発信する能力を身につけますことは、これからの学校教育において極めて重要なことであると認識をしております。 また、御指摘のように、コンピューターやインターネットを活用することは、子供たちが興味や関心を持って主体的に学習に取り組む態度を育成する上で、大きな効果があるものと考えております。 こうしたことから、県教委といたしましては、インターネット等の活用方法について実践的な研究を進めるため、現在、県内五十九の学校におきまして、光ファイバーを利用したネットワークの活用方法についての研究や、島と町の学校を回線で結んだ教育の交流についての研究など、五つの事業を中心に取り組んでいるところでございます。 具体的な例を挙げますと、大量の情報を高速で送ることのできる光ファイバーなどを使いまして、個々の生徒に電子メールのアドレスを与えまして、一クラスの生徒が同時に、しかも個別に、海外の生徒と辞書を片手にメールの交換を行うなど、学習意欲を高める取り組みが活発に展開をされております。 また、多くの研究校が、ホームページを作成をして、学校の紹介をしておりますが、中でも、ある商業高校では、地元商店街のホームページづくりを行いまして、三十店舗以上のバーチャル商店街を制作するという実践も行っております。 さらに、テレビ会議システムを利用して、二つの小学校の児童たちと動物公園の獣医とが楽しく語り合いまして、それを契機に、学校間で合同授業を行うと、そういった取り組みに発展をしてるケースもございます。 そのほか、多くの情報の中から必要なものを取り出せる機能を、理科や社会の調べ学習に利用いたしまして、写真や動画でビジュアルな学習をするなど、学習の対象を広げ、興味や関心を高めるさまざまな取り組みをいたしておるところでございます。 今後とも、県が整備する「やまぐち情報スーパーネットワーク」を視野に入れながら、インターネットや地域の情報ネットワークの活用方法について、さらに研究を深めますとともに、これらの研究の成果を県下の学校に広めることなどによりまして、子供たちが主体的に判断をし、よりよく課題を解決する力を培うことができるよう、教育の情報化の推進に努めてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 小泉利治君。    〔小泉利治君登壇〕 ◆(小泉利治君) まず、先ほど述べましたように、今回貴重な体験を与えていただきまして、各関係者の皆様に重ねて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。 今回の視察は、環境問題が中心でありましたので、環境問題について若干再質問したいと思います。 まず、今回、私も初めてドイツを訪問したのでございますが、ドイツとの大きな違いということで、向こうは、ごみの収集、運搬、廃棄、そして最終処分までが、すべて民間会社が行っているということでございました。したがって、その処理費用が有料であったということでございました。 私どもが三日間宿泊しましたケルン市内におきましては、大人二人、子供二人のいわゆる平均的四人家族での年間のいわゆるごみ処理代といいますか、ごみ処理費っていうのが、平均四万三千円を毎年負担しておるというふうにお聞きしました。 これも、電気代、水道代と同じような感覚で、それぞれ各住民の方が支払っているということで、その収納率はどのくらいぐらいですかというふうに質問したんですけれども、何と、その収納率が一○○%近いということでありました。これも、やはり環境先進地であるドイツのいわゆる住民意識、ごみに対する住民意識の違いがあるんかなというふうに感じたわけでございます。 ハンブルグ州の環境省に視察したわけなんですけれど、ここは、環境問題の各事業の統括や指導、運営と環境保護に関するさまざまな政策立案をされているところでありますが、その担当者が言われた言葉にちょっと印象がありましたので、お伝えしますと、その担当者が言われるには、「環境問題で一番の解決方法は、いかにごみを出さないようにするかである」ということを言われました。そして、「その解決方法は、そのごみを有料にすることである」というふうにおっしゃっていました。「しかし、それには住民の理解と納得の上での話」ということも、あわせて語っておられたのが印象的でありました。 といいますのは、その担当者が言われるには、アパートの例を引かれまして、ドイツもアパートがございまして、十世帯ぐらいのアパートがございまして、そこのアパートは、電気メーターが共同でありまして、一つしかなかったわけです。そして、どんどん各十世帯の家庭が電気を使っておられて、どんどんメーターが上がるということで、あるときメーターが故障しまして、その共同のメーターを各、故障したのをきっかけに、各戸別にメーターをそれぞれ設置したそうです、大屋さん。そうすると、電気代のメーターが半減したということを通して言われました。 そういう例え話を引きながら、「減量には、有料化をすることが効果的である」ということをおっしゃっておられました。 しかし、それをそのまんま我が県に持っていくというのは、いろいろ問題もありますし、また、有料化には、住民の新たな負担を伴うものでありますから、今後、そういったことに関しましては、住民、事業者、行政などの関係者による幅広い論議が必要と思われるわけでございますが、しかし、このことは避けて通れない問題であります。 そこで、県内のそういった有料の状況とこの有料化に対する県の指導方針について、まずお聞きしたいと思います。 次に、最終処分場の問題ですけれども、これは、先ほど御答弁いただきましたように、山口県にはもう既に八十三カ所もの処分場があったということを聞いて、私も改めて驚いている次第であるんですけれども、そのうち二十五カ所の大きなところを調査されたということで、その二カ所が微量の硫化水素が発生するということを答弁がありました。 その二カ所は、どことどこであるかと、それともう一つ、今後、その二カ所に対しては、今後どのように対応されるのかをちょっとお聞きしたいと思う次第でございます。 こういった最終処分場というのは、たとえ安定型といえども、何が捨ててあるかわからないのであります。こういった処分場は、年がたてばたつほど、いろんな廃棄物と廃棄物が化学反応を起こしまして、有毒ガスが発生するわけでございますので、後世に負の遺産を残さないためにも、徹底的な調査と対応をお願いしたいわけでございます。 それとあと、八十三カ所のうち二十五カ所調査が終わったということでありまして、あと五十八カ所残っているわけでございますけれども、これも、今後とも調査、監視をされていくということでございますけれども、その監視体制についてお尋ねいたします。 私の今回、ハンブルグ州のところに、まさにこの廃棄物の集積場を視察したわけでございますけれども、まさにこのとおりでありまして、そこは以前どんどんごみを埋め立てておいたわけでございます。しかし、数年前、ダイオキシンという問題が発生しまして、ごみを中止して、それ以来、そのごみ集積場に徹底的に、地下水の汚染や土壌の汚染防止対策を徹底的にしたっていうことをドイツで学んできたわけでございます。 そこでは、工学博士の方が専門についておられまして、特殊なシートを敷いて、水漏れが出ないように、また、その廃棄物の上に真砂とかぐり石とか砂とか、いろんな土層を幾重にも重ねながらされておりました。そして、ボーリングも、ガス抜きのためにボーリングをして、数カ所でガス抜きをされておりました。 しかし、そのガス抜きしたガスを隣の発電所で燃料として使ってたということが、これはまた、さすがドイツの目のつけどころが違うなというふうに感心したわけでございます。負のものをプラスに転換するっていうことでございました。 環境立県山口にふさわしい、こういった最終処分地の対策をお願いしたいと思うわけでございます。 それと、あとは要望でございますけれども、消費者行政についてでございます。 きょうの新聞に、「高齢者を狙う悪質商法」という記事が出ておりました。これにも、「うまい話は要注意」とか、さまざまな例を通して、気をつけなさいよという記事ですけれども、その最後に、「被害を受けたら、すぐに消費者センターなどに相談してください」ということがありまして、「ともあれ、被害を受けたり、おかしいと感じたら、各地の消費者センター等に相談することが、被害の回復・防止に役立つことになる」というふうに、この新聞は結んでおったわけでございます。 先ほど申しましたように、県は、消費生活センターがあるんですけれども、各市町村におきましては、専任相談員はわずか三名といって、それぞれ専門の係とかいった機構は、持っとるところは、市町村はごくわずかっていうことでありました。 そういった身近な市町村でのいわゆる相談場所ですか、そういったことを今後、地域拠点を整備し、一層きめの細かい消費生活相談ができる体制を今後ともつくっていただきたいと思うのでございます。 以上で終わります。 ○副議長(横山豊治君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) ドイツを視察してのごみの有料化等の質問でございますが、たしかドイツは、環境問題の取り組みが非常にすぐれておりまして、私も何冊か本で読まさせていただいておりますが、小泉議員さんにまた、いろいろと御指導いただこうと思っております。 そのごみの有料化についてのお尋ねでございますが、山口県のごみ排出量は、ここ数年、約六十二万トン前後で推移をいたしております。 ごみ排出抑制は、市町村のごみ処理経費の軽減のみならず、環境負荷の低減の点でも必要と考えておりまして、このごみの排出抑制対策として、ごみの有料化は有効な手段の一つであると考えております。 平成十一年度、県内の市町村において、可燃ごみについては五十一市町村、不燃ごみについては三十二市町村が、指定袋等による有料化を実施いたしております。このごみの処理は、市町村の固有の事務となっておりまして、市町村の実情に応じた取り組みがなされているところでございます。 県としては、今後とも、市町村のごみの有料化の実施については、情報提供や適切な指導・助言を行い、ごみの減量化、リサイクル化が図られるよう努めてまいりたいと考えております。 それから、安定処分場の調査等の問題でございますが、御指摘のとおり、八十三カ所ありまして、そのうち三万立方メートルを超える二十五カ所につきまして、緊急に硫化水素に関する調査を実施したところでございます。 一カ所につきましては一ppm、もう一カ所は十ppmとわずかで、硫化水素が検出されました。また、地表では、いわゆる二メートルぐらい掘削いたしまして検査した結果、その結果でございますが、地表では検出されておりませんで、生活環境保全上の問題はなかったところでございます。 なお、この同処分場設置者に対しましては、ガス抜き等の臭気対策や覆土による雨水浸入防止対策等に万全を期するよう指導をしたところでございます。 今後は、この残った五十八の処分場につきまして、本年度じゅうにこの調査をいたしまして、県内パトロール班が三班と、三班体制がありますが、これによって立入検査を行って、適切な指導・助言を行っていきたいと、こういうふうに考えております。 以上でございます。 なお、消費生活センターの消費者行政の要望がございましたが、御提言を踏まえて、一生懸命努力していきたいと思っております。 以上でございます。    〔発言する者あり〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) (続)大変失礼いたしました。 場所は、具体的な地名は、ちょっと今のところあれでございますが、監視体制につきましては、先ほど申しましたように、処分場の設置者に対しまして、いろいろガス抜き等の指導を行って、そして、この監視パトロール三班ございますが、これが随時適切に監視を行っていくと、こういうことといたしております。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 関連質問の通告がありますので、持ち時間の範囲内において発言を許します。三木康博君。    〔三木康博君登壇〕(拍手) ◆(三木康博君) それでは、関連質問をさしていただきます。 その前に、二井知事におかれましては、第二期目の当選、我が党としましても心からお祝いを申し上げます。本当におめでとうございました。 私たちも、推薦をした政党として、これから四年間、二井県政をともに支えてまいりたいと思います。我々も、いつも申し上げておりますように、県民の目線で、これから二十一世紀の山口県構築のために、是は是、非は非として、これからも一生懸命頑張りたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、「やまぐち情報スーパーネットワーク」について、関連質問をさしていただきます。 今日の情報関連技術、いわゆるITの爆発的な普及と発展は、私たちの生活や産業構造をも変革しつつあるところであります。 このような状況の中にあって、政府は、本年七月、「IT戦略本部」を設置し、電子政府の実現を掲げ、情報通信基盤の整備、総合行政ネットワークの構築を推進するといたしております。 既に、「行政の情報化」、すなわちITを行政のあらゆる分野で活用することにより、国民の立場に立った効率的で効果的な行政実現を図ることを、当面の対応すべき課題として掲げているのであります。 本県におきましては、他県に先駆け、「やまぐち情報スーパーネットワーク」を構築し、今年一月には、NTT西日本とKDD両社とのスーパーネットワークを接続する。 また、二○○一年から五年間、県下全域で情報通信の実験、そして実施案をまとめられております。 またさらに、四月には、山口大学が全学を挙げて、県内の各学校、そして医療機関、そしてまた学校教育への協力を行う、スーパーネットワークと接続することになりまして、これらの取り組みは、いずれも「山口方式」とも言える全国で初めての画期的な試みであります。 また、前議会の質問で、この光ファイバー網十五のアクセスポイントを通して、県内の五十六市町村すべてがアクセスすると、そしてさらに、学校や福祉施設が一挙にこの施策が実現するというお話も、答弁をいただきました。 まさに、山口県は、情報先進県として、二十一世紀の輝かしいスタートを切らんといたしております。県民の期待も、ますます高まっている今日であります。 しかしながら、この情報スーパーネットワークの構想は、まことに一流でありますが、県の行政全般を見たときに、ハード・ソフト両面につきまして、その格差がますます広がりつつあるのであります。 ちょうど昔のことわざにあります。「仏つくって魂を入れず」と、せっかく全国に誇れるこの情報スーパーネットワークでありますが、県内の行政機関すべての格差をなくし、情報化社会の利便性を県民の皆様に享受していただきたいと思うのであります。 そこで、私が気づいた数点につきまして、これから提言をしたいと思います。 それは、先ほど同僚議員が、教育の情報化についてお尋ねをしました。しかしながら、教育長の御答弁を聞いておりますと、山口県の情報教育はかなり進んだように私は聞きました。 しかし、現実は全く違うんです。教育長はそのようにおっしゃいましたが。と申し上げますのは、今、学校が進めておるインターネットは、学校間の接続であるわけであります。しかしながら、この教室へのアクセスということになりますと、これは日本は目を覆うほどおくれておるのであります。 ちなみに、アメリカでは、九八年、二年前の九月の時点で、もう既に学校の教室のアクセスが六三%に達しておるのであります。 日本の国では、一般教室へのコンピューターが配置されたと、この教室にですよ。学校じゃなくして、教室全部に配置されておるのは、わずか全国の学校で一割にしかないわけでありまして、そのうち、その一割のうちでも、そのインターネットに接続しているのは、わずか二%にすぎないのであります。 専門家の意見では、「いかに情報教育の推進といっても、学校の専門教室でなく、一般教室にインターネットが接続されていなければ、インターネットを活用した主体的な学習活動は期待できない」と、このように指摘をいたしておるのであります。 外国におくれた日本の情報教育、我が県の情報教育のおくれも、しかりであるのであります。 その内容につきましては、来週の文教警察委員会でじっくりとお話をしたいと、このように思っております。 ひとつ、この情報スーパーネットワークが配置されます。これを起爆剤として、何とぞ県教委におかれましては、一般教室への配置も、またそのネットの接続も、積極的に今後取り組んでいただきたいということを強く要望いたしておきます。 次に、県民の安全と治安を守る県警察のIT化のおくれであります。 私がお聞きした範囲でも、大変なおくれがあります。 警察行政にあっては、限られた定員の中で、困り事の相談、ストーカー対策などに対処しなければならない新たな事案が増大する一方であります。そして、効率的、効果的な行政の実現が強く望まれているところであります。 係る事態を受けて、県警察では、今年度より情報通信ネットワークの構築事業を開始するなど、効率的、効果的な警察行政の実現を目指した諸施策を行っておるやにお聞きしております。 また、ハイテク犯罪相談窓口を全国に先駆けて開設をされ、県民との情報の交換を行うなど、積極的な取り組みについては高く評価いたすものであります。 しかしながら、問題なのは、警察行政の情報基盤のおくれであります。本県が誇る情報スーパーネットワークの中には、県の一般の出先機関、市町村、大学、それからまた学校、福祉等すべての行政機関が、このスーパー情報ネットワークの中に入る予定でありますが、お聞きするところ、最もITを必要とする県警察が入っていないのであります。 また、その前段階のコンピューターの基本であります、県警察独自のサーバーがないのであります。 さらに、各県下の警察署の各課を結ぶコンピューターのネットワークも、いまだ確立されていないのが現状であります。 加えて、今や、職員一人一人に一台のパソコンの時代でありながら、個人所有のパソコンに依存しているなど、ハード面で基盤整備の状況は、お聞きしますと、全国から山口県警は下から数番目という、非常にそういうハードの面のおくれがあると仄聞いたしております。 このような現状を見ますと、県警察のIT化については、立ちおくれていると言わざるを得ないのであります。情報先進県と言われる本県にとっては、まことに残念であります。 今こそ、将来を見据えたしっかりとした基盤整備をお願いしたいのであります。 そこで、我が国のIT化の状況を踏まえて、情報通信ネットワークなど、今後の県警察におけるIT化の推進に関する計画、及び県民への情報発信や情報収集を行うためのいわゆるオープンネットワークの構築について、どのように推進されるのか、山浦本部長にお伺いしたいのであります。 最後に、この「やまぐち情報スーパーネットワーク」は、次の山口県のリーディングプロジェクトとお聞きしております。 そこにおいては、まず、県行政の各部局間、また県の行政間の格差、これをぜひなくしていただきたい。これに対しまして、何と申し上げましても、予算執行の最高責任者である二井知事でございます。ひとつ、その行政間の格差をなくすように、強くこれは要望いたしておきます。 詳しくは、十二月議会でまた再び御質問申し上げたいと、このように思っております。 以上で関連質問を終わります。(拍手)    〔三木康博議員の発言中、横山副議長にかわり、島田議長が議長席に着く〕 ○議長(島田明君) 山浦警察本部長。    〔警察本部長 山浦耕志君登壇〕 ◎警察本部長(山浦耕志君) 県警察のIT化についてのお尋ねでありますが、現在、警察におきましては、犯罪の急激な広域化、スピード化、国際化、ハイテク化等に伴い、捜査力の強化を初め、議員御指摘のように、困り事相談、ストーカー対策など新しい多くの課題を抱えているところであります。 したがいまして、警察行政を一層効率的、効果的に進める必要性が高まっておると考えております。そして、そのための手段として、警察行政のIT化の推進及びそのための基盤の整備は、必要不可欠というふうに認識しております。 現在、県警察で整備しております情報処理システムは、大量のデータの処理を行う汎用系と、本部と警察署間及び警察署同士で情報の通信処理、処理通信を行う情報系に大別されますが、汎用系につきましては、運転免許、家出人手配及び遺失物、拾得物の管理などの業務に既に広く効果的に活用しております。 他方、情報系につきましては、ハイテク犯罪が増加する中、その整備を急ぐ必要があることから、県の関係部局とも協議し、平成十一年度に、その基盤となる本部と警察署を結ぶデジタル回線網を整備し、本年度からは、情報通信ネットワークシステムの構築事業を開始したところであります。 あわせて、ハイテク犯罪対策の一環として、ハイテク犯罪対策室へのインターネットの導入、解析、検証用パソコンの購入など、装備資機材の整備も行っているところであります。 県警察といたしましては、情報通信ネットワークの構築は、警察行政の効率的、効果的推進の上から喫緊の課題であり、今後とも、ソフト・ハード両面から力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、県民に対して情報発信したり、県民から情報収集する、いわゆる「オープンシステム」につきましては、現在、知事部局のサーバー内に「山口県警察のホームページ」を開設し、情報の発信を行っているほか、ハイテク犯罪に関する相談や情報を受け付ける「ハイテク犯罪相談窓口」等を開設しております。 しかしながら、昨今のIT関連技術の進展に伴い、犯罪情報の収集はもちろん、警察と県民を結ぶ情報の受信・発信活動の必要性は一層拡大するものと考えられますことから、県民の警察に対するさまざまな要望に的確にかつ敏速にこたえられるよう、県警独自のホームページ用サーバーの新設、インターネット接続コンピューター端末の増設などについて、今後検討してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(島田明君) これをもって一般質問及び提出議案に対する質疑を終結いたします。                            委員会付託の省略について ○議長(島田明君) ただいま議題となっております議案第二十二号及び第二十三号の人事案件については、委員会付託を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(島田明君) 御異議なしと認めます。よって、議案第二十二号及び第二十三号の人事案件については、委員会付託を省略することに決定いたしました。                            表 決 ○議長(島田明君) これより議案第二十二号 出納長の選任について同意を求めるの件を採決いたします。 本件は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○議長(島田明君) 起立多数であります。よって、議案第二十二号 出納長の選任について同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。                            表 決 ○議長(島田明君) 次に、議案第二十三号 教育委員会の委員の任命について同意を求めるの件を採決いたします。 本件は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕 ○議長(島田明君) 起立全員であります。よって、議案第二十三号 教育委員会の委員の任命について同意を求めるの件は、これに同意することに決定いたしました。                            委員会付託 ○議長(島田明君) ただいま議題となっております議案第一号から第十六号までを、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 今期定例会において受理した請願は一件であります。これをお手元に配付の請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。                            委員会審査の期限について ○議長(島田明君) ただいま常任委員会に付託いたしました議案及び請願については、九月二十日までに審査を終わるよう期限をつけることにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(島田明君) 御異議なしと認めます。よって、議案及び請願については、九月二十日までに審査を終わるよう期限をつけることに決定いたしました。    休会について ○議長(島田明君) 九月二十一日は、議事の都合により休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(島田明君) 御異議なしと認めます。よって、九月二十一日は休会することに決定いたしました。 ○議長(島田明君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。お疲れでした。    午後二時十九分散会      地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。               山口県議会議長    島   田       明               副  議  長    横   山   豊   治               会議録署名議員    橋   本   尚   理               会議録署名議員    吉   田   和   幸...